2021Aシラバス
230/258

1年 文科 理科 2年 文科 理科 1年 文科 理科 2年 文科 理科 ■全学体験ゼミナールを履修する場合は、必ずUTASでシラバスを参照し、本冊子には掲載されていない詳細な授業内容等を確認したうえで、履修登録を行ってください。 森林は多様な生物の生息場所であるとともに、人にとっても水や食物などさまざまな恩恵をもたらす存在です。日本の国土の約7割は森林に覆われていますので、森林を知ることは、自然の成り立ちや、人と自然のかかわりを知ることそのものであるといえます。しかし、現代の日常生活では、森林の生命の営みや森林の恵みを経験的に知る機会は決して多くありません。秩父演習林の位置する奥秩父山系は関東甲信越地方の水源地であり、深い森林と切り立った渓谷が原生的な自然を形作っています。気軽に行ける場所ではありませんが、関東地方で人間の影響の少ない自然に触れることができる数少ない地域です。 本ゼミでは、秩父地方の自然史や生業に関する事前講義を踏まえ、奥秩父山系の森林生態系や人と森林の関わりについて見学を行います。具体的には、標高に伴う森林の推移、森林に対する自然撹乱、樹木の更新、動植物の分布、シカによる植生衰退、山地森林のもつ水源涵養機能など、森林生態系の動きについて経験を通じて学びます。また、かつて薪炭林だった二次林や生産林としての人工林など過去から現在までの森林利用、そして山林に関わる産業として木材加工やキノコ生産についても学びます。最終的には、手つかずの老齢林と、資源利用されてきた二次林・人工林を比較し、森林の成り立ち・人と森林のかかわりについて、自らの体験をもとに考えていただくことを目標とします。本ゼミを通じて、奥秩父地域の自然を体験し、経験的に自然を知るという科学の基本的なアプローチを学ぶことを期待しています。 ※対面での現地講義に参加可能な学生のみに履修を制限します。 ※受講人数を7名以下に制限します。 ※受講希望者は10月7日(木)のガイダンスに参加して下さい。 ※担当教員:山田利博・平尾聡秀・浅野友子・坂上大翼 A 時間割コード 時間割コード 全学体験ゼミナール 51330 A1 授業の目標概要 51331 授業の目標概要 開講 体験して考える森林ガイドボランティアの現在と未来-秋編- ■全学体験ゼミナールを履修する場合は、必ずUTASでシラバスを参照し、本冊子には掲載されていない詳細な授業内容等を確認したうえで、履修登録を行ってください。 ●授業の目標 東京大学大学院農学生命科学研究科の附属施設である田無演習林においては、地域貢献の一環として、身近な樹木に親しみその特徴を知る「子ども樹木博士養成講座」(以下、「樹木博士」と略す)を春と秋の年2回実施しています。このような森林ガイドイベントはあちこちで催されており、その実施には多くの場合ボランティアが重要な役割を果たしています。しかし、現状としてイベント主催者側とボランティア側の希望がマッチングされる機会は十分でなく、前者には人手不足、後者には出番の不足の問題があるように見受けられます。本講義では、「樹木博士」に参加し実際に森林ガイドを担当することをつうじて、森林ガイドイベントの運営側やボランティア側の立場について考えを深め、最終的にはボランティアがいっそう活躍する未来についての具体的な議論につなげます。本講義で得られる体験や視座は、みなさんの今後のボランティア体験をより深いものにするだけでなく、将来みなさんがボランティア組織の運営側に立った際にも大いに活きてくるでしょう。 ●授業の概要 講義は駒場キャンパスでの座学と西東京市の田無演習林(一部は駒場)での実地実習で構成されています。座学では、総論として森林インストラクター制度の概要と森林ガイドボランティアの現状、具体論として「樹木博士」などイベント等の運営事例について、とくにボランティアの関わり方に重点をおいて学びます。実地実習では、「樹木博士」での森林ガイドボランティアの実践に備えるため、教員が実際のイベントを模してみなさんを指導します。基本的な樹木識別法だけでなく、樹木の特徴をわかりやすく伝えるためのポイントや、イベント参加者の自然体験をより深めることに役立つ「気づき」の「わかちあい」を促す方法、またイベント実施時の安全衛生リスク管理などを身につけて頂きます。また、上記のボランティア体験と学びを相対化することを目的として、森林あるいは科学館でガイド等のボランティア活動をしている一般市民、またはそうしたボランティア組織の管理者を対象に聞き取りをおこなう予定です。総まとめとして、田無演習林を具体例として、ボランティアがよりいっそう活躍できるための課題とその解決策について議論します。 ●「樹木博士」の概要とボランティアに求める役割 田無演習林での「樹木博士」は、子供を対象とした10~30種類の樹木についての体験学習イベントです。ここ最近は、地域の小学生を中心に例年30人前後の参加があります。難易度別にいくつかのグループに分かれた参加者は、午前中にガイドの解説を聴きながら見学路を一周りして樹木の特徴と名前を学習し、午後には学習した樹木の枝を見て名前を当てるテストに取り組みます。テストの後、自然に親しむネイチャーゲームなどのアクティビティを楽しみます。学生のみなさんには、ボランティアとして森林ガイド(樹木解説の講師役)および、アクティビティ実施のリーダーを務めていただきます。テストの正答率にこだわる必要はありませんが、参加者が森林や樹木に興味をもち、それを持続させられるような働きかけをしてください。また、参加者が楽しく安全に過ごせるよう努めることも大切な役割のひとつです。実践に先立って座学や実習をつうじてじっくりとみなさんを指導しますので、現時点で知識や経験がなくても大丈夫です。 開講 秋の奥秩父を巡る 講義題目 講義題目 担当教員 石橋 整司 竹本 周平 担当教員 山田 利博 所属 曜限 単位 農学部 集中 所属 曜限 単位 農学部 集中 2 2 対象 対象

元のページ  ../index.html#230

このブックを見る