2021Sシラバス
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初年次ゼミナール理科 成績評価方法 授業のキーワード 原理解明・伝達型、数学/解析学、実数、デデキントの切断、イプシロン-デルタ論法、p進数 教科書 ガイダンス 成績評価方法 授業のキーワード 問題発見・解決型、生物学/人類学、骨学、形態学、人類進化、化石 教科書 ガイダンス 成績評価方法 授業のキーワード 授業のタイプ(「問題発見・解決型」など)、地球惑星科学/地球惑星科学、デジタル地球データ、プレートテク教科書 ガイダンス 31472 木 2 授業の目標・概要 高校における微分や積分の単元では,まず極限の概念を学びます.その際の極限の定義は,「限りなく近づく時」といったやや曖昧なものです.ニュートンやライプニッツが微積分学を創始した際も極限の扱いはそのようなものでしたが,その曖昧さ故に間違った結論を導いてしまうこともありました.19世紀に入るとこれらを克服するためにより厳密に極限や実数の概念を定義する試みがなされ,長い議論の末に最終的に「ε-δ(イプシロン-デルタ)論法」という形で極限の定義がなされました.19世紀中頃に生み出されたε-δ論法は,その後の数学の発展において他の概念に上書きされるものもなく生き残ってきたタフな概念で,今なお微積分学(解析学)の基礎として大学で学びます. このε-δ論法はすでに述べたとおり現代の解析学には必須な概念です.しかし,一方で特に学び立ての初学者に対しては悪名高い概念でもあります.その理由として,定義が込み入っていて一見してわかりにくいからであると思われます.本講義の目標は,グループワークを通してこのε-δ論法を深く学び,理解することです.また,ε-δ論法だけでなく,「デデキントの切断」発展的な内容として「p進数」を扱います.デデキントの切断は,ε-δと同じく解析学を厳密に再構築する努力の上で生まれた概念であり,実数の厳密な定義を与えるものです.p進数は整数論的な問題に端を発して考えられた,実数とは異なる別の「数」の概念です. 本講義では,まず全体を小さなグループに分け,上で述べた三つのテーマの一つを深く掘り下げていき,最終的に班で一つの短い「講義」を作ることを行います.このような体験を通じて,テーマへの理解を深めるほか,文献・資料の収集法,グループによる共同学習の手法などについても習得することも目標とします. 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 次の教科書を使用する。/Will use the following textbook 書名 著者(訳者) 東京大学教養教育高度化機構初年次教育部門・増田建・坂口菊恵編 出版社 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 31473 木 2 授業の目標・概要 骨は、その動物が生きていたときの姿ばかりでなく、運動機能や食性、生活環境、知能、病気、社会構造など、様々な情報を与えてくれます。生物進化の直接的な証拠である化石の分析から、多くの情報を導き出すことができるのは、まさにそのためです。しかし、骨からどのようにそれら情報を読み解くことを可能としているのでしょうか? 本ゼミナールでは、「骨からさぐる人類進化」にフォーカスして文献調査、グループワークを行うことを通して、ヒトの進化に関する理解を深めることを目標とします。 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 次の教科書を使用する。/Will use the following textbook 書名 著者(訳者) 東京大学教養教育高度化機構初年次教育部門・増田建・坂口菊恵編 出版社 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 31474 木 2 授業の目標・概要 今から約100年前Alfred Wegener は、世界地図の上で大西洋を挟んだアフリカ・南アメリカ大陸両海岸線の類似した形を見て、大陸移動のアイデアを思いつきました。このアイデアは、当初大陸を移動させる駆動力について明確な説明ができず、地球科学界では忘れ去られてしまいます。しかし1950年代以降、地球科学上の新しい証拠によって再評価され、プレートテクトニクス理論の確立へとつながりました。その間にも地形や地震・火山の分布の特徴や規則性から、地球のダイナミクスや歴史について様々な発見がされています。近年では、地震計や地殻変動の記録を調べることによって、地球の表面だけでなく内部についても色々な事が明らかとなってきました。 現在、私たちはWegener の時代とは比較にならない膨大な地球情報を手にしています。地球については理解尽くされてしまったのでしょうか?そんなことはありません。地球に関する理解が進む一方、新たな問題が明らかとなってきました。例えば、海溝型地震・津波が超巨大になる要素は何か、地球磁場ななぜ逆転するのか、生物大量絶滅はなぜ起きたのか、などの根源的な問題はまだ理解されていません. 我々が手にする情報の量は膨大なだけに、例えば地震計の記録一つとっても、まだ誰にも注目されていない現象も多く残されています。本ゼミナールでは、最新のデジタル地球データを駆使して、その特徴が語る地球の歴史や未来の姿を描き出します。新しい規則性の発見や、斬新な仮説がこのゼミナールから生まれることを期待します。 (目標) ○ 「どのようになっているか」を知るため,情報を収集・分析するスキルを身につける. ○ 「なぜそのようになっているか」という問題意識を持ち,解決に向けて取り組む姿勢を身につける. ○ グループで問題設定,情報共有,議論を行い,考えをまとめるグループワークを経験する. 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 トニクス、地震・火山、地球・惑星の進化 教科書は使用しない。/Will not use textbook 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 科学の技法:東京大学「初年次ゼミナール理科」テキスト 東京大学出版会 科学の技法:東京大学「初年次ゼミナール理科」テキスト 東京大学出版会 解析学の基礎 骨の科学 地球の鼓動を聴いてみよう 阿部 紀行 近藤 修、荻原 直道 西田 究 理学部 理学部 地震研究所

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