2021Sシラバス
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31460 火 1 授業の目標・概要 古代ギリシャの哲学者たちが 「万物の根源・原初的要素は何者か?」と問い,「土・水・空気・火」と答えた数千年前から,素粒子物理学は人類共通の興味の対象であり続けている.その深遠な問いに対する答えをみつけるために,研究者たちは実験的に検証をするための道具(加速器,検出器,計算機)の性能を向上させ続け,実験的データとして記録・解析し,新しい人類共通の知として成果をまとめ,再解釈してきた. この繰り返しにより,特に過去40年間,素粒子物理学の研究は急速な進歩を遂げ,素粒子の相互作用についての理解,初期宇宙に関する知見(科学的な推論を含む)を得てきた.「ヒッグス粒子の発見」は,2012年夏に成し遂げられた歴史的なイベントで,翌年,ノーベル賞が授与された.これをきっかけに,素粒子物理学は次の大きな問いに挑戦するスタートラインに立ったところである. これまでの素粒子物理学が理解してきた世界,そこで使われる道具の原理,今後 どのような問いがあって どのようなアプローチをかけていくのか? 授業中のやりとりを通じて,これらの事を理解し,また,それらのことが 意外と少数の基本原理から理解できることを実感できる様にしたいと思う. 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 理・初期宇宙の疑問、(3) 素粒子物理実験の原理 授業中に指示をする。/Will specify at class time 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 目標2 定理、法則の意味を他者に分かるように伝える能力を身に着けること 目標3 授業で取り扱わなかった定理、法則については、自分の理解のレベルが自分で判断できるようになること。 高度情報化社会の中で、我々に求められる「知」の形が変化しつつあるということがしばしば語られています。一方、理系学問の骨組みであり、主要言語でもあるところの「数式」については、社会の中での受け取られ方にまったく変化が見られません。 高度情報化以前も以後も、一般社会の中での「数式」は、まったく意味不明なものであり、敬遠すべきものの代表格とされています。一方、その意味を理解するものにとっては、「数式」には深い意味があり、物理では世界観の一部をなしています。しかし「数式」の意味を理解していると自負している「専門家」はともすれば、本来の意味を超えて使ってしまいがちで、それが再び一般社会での敬遠傾向を強め不信を招いているようです。 このように、「数式」をとりまく状況は、社会の高度情報化の影響を今のところまったく受けていないように見えます。したがって、もし1年生の皆さんが、数式の意味を正確に他人に伝達する能力を 身に着けたとすれば、それは今後の皆さんの人生にとって、大きな武器となる可能性があります。言い換えれば、AIでは代替できない仕事が出来るようになる、ということです。 この授業では、数学の定理や物理法則をテーマとして選び、それを他人に分かるように説明する方法を皆さんに考えてもらいます。その際「可視化」が重要な方法となりますので、多少のプログラミングが必要になります。もちろん「可視化」以外の視点も必要になるでしょう。 オンラインの回はzoomで出席をとります。遅刻、欠席は厳禁です。 複数回の「達成度アンケート」を行いますが、これはテストでは ありませんので、回答内容が成績に影響することはありません。 授業の性格上、学力的な達成度でなく、努力の度合いを評価します。 授業中に指示をする。/Will specify at class time 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 成績評価方法 授業のキーワード 原理解明・伝達型、「数学」「物理学」、定理、物理法則、可視化、プログラミング 教科書 ガイダンス 成績評価方法 授業のキーワード 授業のタイプ(「対話型」)、学術分野(物理/素粒子物理)、(1) 科学的で論理的な問い 推測 検証、(2) 素粒子物教科書 ガイダンス 初年次ゼミナール理科 グループ2 1年 理一(9,12,14,20,39)理二三(6,8,15,20) グループ2 1年 理一(9,12,14,20,39)理二三(6,8,15,20) 時間割コード 31459 火 1 授業の目標・概要 目標1 数式を含む定理、法則について可視化を用いた説明の能力を身に着けること 曜限 講義題目 数式の可視化・直感的理解・訴求力 ヒッグス粒子のみつけかた 担当教員 齋藤 晴雄 石野 雅也 所属 物理 素粒子センター

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