2021Sシラバス
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初年次ゼミナール文科 31552 火 1 授業の目標・概要 【共通目標】 31553 火 1 授業の目標・概要 【共通目標】大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を強調し、学ぶ姿勢の根本的な転換を図る。「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、学ばせる。また、学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解させる。そして「問い」の「答え」を導くに当たり、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃を含む)、議論と根拠の関係、などといったより基礎的な作法の習得、また図書館などの研究リソースの利用方法の習得を全体に対しておこなう。 【この授業の目標・概要】大学に入って社会科学を専攻するということがどういうことであるのか、そうした理解の手がかりをつかむことを目標とする。政治学という特定のディシプリンに限定するということではなく、広く社会科学全般の方法論に基づいて政治という現象を理解することを目的とする。そのうえで、以下の点について、各自が、授業における指導や学生相互の評価などを通して、自分の能力を切磋琢磨することを目標とする。但し、本年度は、コロナ禍という状況の中、今まで累積された諸問題がより先鋭的に噴出する状況を迎えている。そうした中で、ポストコロナの社会を見据えた社会科学に関わる仮説を提示し、その検証もしくは反証を行うことを可能な限り考えてもらいたい。 ➀ 課題の発見能力:自分のオリジナルな課題設定が求められる。「驚き」(自分の持っていた常識では測りきれない現実に直面する)とそれに対する社会科学的な認識(なぜ、そうした「驚くべき」現象が起こったのか。また、なぜ、従来の「常識」では、そうした新しい現象がおこることを予測し、理解することができなかったのか。) ② 仮説の提示能力:問題意識をいかに具体的な仮説に転換することができるか。問題意識を「仮説」という形で設定し直し、それを実証していくという作業に取り組む。仮説というのは、最も簡単な形では、2つの変数(事象)を見つけて、その2つの変数が、どのような条件のもとで、どのような関係(因果関係や相関関係など)にあるのかを提示することである ③ 調査・資料収集能力:いかに「汗を流して」自分の考え方を確かなものにする地道な作業を根気よく行えるか。⑴先行研究にあたる。(作成した文献リストを活用し、重要なものを中心にして当該問題に関して、どのような議論が展開されているのか、どのような争点が存在するのかを中心に整理する。)⑵具体的な資料・データを集めて、それを検討する。仮説を実証するためには、どのような資料やデータが必要なのか。そして、そうした資料やデータはどこから入手するのか。また、そうした資料をどのように解釈するのか。 ④ 発表:いかに相手(特に自分とは意見を異にする人)を納得させられるか。レジュメの書き方や提示資料の選択を工夫することによって、いかに聴衆を飽きさせずに、興味関心を共有できるような発表を行うか。 ⑤ 論文の作成:自分の意見や構想を一方的に発表して、それで自己満足に浸るだけではだめである。自分の意見がなぜ正しいのか、もしくは説得力を持つのかを、具体的な証拠を提示することによって示す。 【学術分野】法・政治 【授業形態】ディシプリン・フィールド融合型 出席、報告および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する 教科書は使用しない。/Will not use textbook 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回目の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 「民主主義の危機」が近年、マスメディアで盛んに語られている。何ごとかが盛んに語られている時には、そこで問題となっているのが実際には何であるのかを慎重に見極めねばならない。問題が不適切な扱いを受け続けているという事態は決して稀ではないのである。この授業では、大竹弘二氏の『公開性の根源』(2018年、太田出版)を読みながら、いま政治において「危機」として語られているものが、近代の政治哲学によって未解決のままにされた問題であることを見ていきたい。つまりこの授業は哲学に関わるものであると同時に、私たちの同時代的経験を見つめ直すものである。 【学術分野】哲学・科学史 【授業形態】文献批評型 出席、発表および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。 次の教科書を使用する。/Will use the following textbook 書名 公開性の根源──秘密政治の系譜学 著者(訳者) 大竹弘二 出版社 太田出版 ISBN 4778316002 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 成績評価方法 授業のキーワード 哲学、政治哲学、近代哲学、行政、統治、主権 教科書 ガイダンス 成績評価方法 授業のキーワード 社会科学、ポストコロナの社会、仮説、実証もしくは反証、事例比較、相互評価 教科書 ガイダンス 行政権力の政治哲学 にポストコロナの社会を見据えて 國分 功一郎 木宮 正史 哲学・科学史 法・政治 社会科学における仮説の設定とその検証:特

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