2021Sシラバス
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全学自由研究ゼミナール 31696 S 31662 授業の目標概要 本講義は、『農学』とは何か?『農学部』は何を教育・研究しているところか?そんな素朴な疑問を持たれている学生の皆さんと一緒に、農学の観点から地球の未来を考えることを目標としています。 『農学』とは、有限な資源を前提として、人類の安定した生存と心地よい生活に貢献する「実学」です。生物が生息している空間は、すべて農学がカバーすべき学問領域であり、分子、細胞、組織、個体レベルは言うまでもなく生態系、そして地球レベルに至るまでが、研究対象となっています。農学では、自然科学だけではなく、社会・経済学、そして人文学の手法も動員して、総合科学的に問題を捉える必要があります。 人類は誕生以来,微生物,植物や動物,鉱物など,地球上のあらゆる「もの」を利用して生きてきました。この活動は人類の生活を豊かにすると同時に,経済価値を優先した産業開発が,私たちのかけがえのない地球に大きなダメージを与えてきたことは、皆が認めるところだと思います。この危機に行政的には、生物多様性の観点から「愛知目標」や「科学と政策の統合(IPBES)」、人間活動の観点から「持続可能な開発目標(SDGs)」などが設定されました。人類の衣食住を多方面から支えてきた学問領域『農学』においても,持続可能で環境調和型の科学技術の確立が喫緊の課題となっています。そういう意味では、ヒトを含めた生物の共存共生のため、地球上の生物資源を利用することで起こした問題を俯瞰的に洗い出して,総合科学の力で解決していくことが、「農学」の使命といえます。こういう観点から、農学部では、100年後の地球を考える、One Earth Guardians育成プログラムを推進しています。 農学部は多くの専修や専攻、附属施設から構成されています。この講義は、農学部の広報室メンバーの教員を中心に、農学部教員の有志が担当します。本講義では、生物の共存共生に今後我々人類が何をしていくべきかを抽出した後、いろいろな専修・専攻・附属施設の教員が、それぞれの課題の解決法につながるような農学領域の情報を提供し、これを基に出席者が農学を通じて地球のために何ができるかを考え、議論、解決法を提案することを最終ゴールとしています。 2 2 時間割コード 時間割コード 開講 講義題目 経済史学への招待 開講 講義題目 地球医のすすめ:タネ蒔く農学部有志 S 担当教員 中村 尚史 担当教員 橋本 禅 所属 曜限 単位 社会科学研究所 所属 曜限 単位 農学部 金 2 金 2 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 授業の目標概要 本ゼミナールでは、歴史学と経済学との境界領域である経済史学の方法を、近年の歴史学や経済学の研究動向との関係にも留意しながら考えます。そして経済理論を参照しつつ堅固な実証によって歴史的事実に接近するという経済史学の立脚点を、再度、構築し直すことを目指します。 ガイダンスでは、まず、日本の経済史研究が、記述的経済史と計量経済史という、論証技術の如何を問わず、厳密な史料批判と反証可能性の担保という、近代実証史学の基本に忠実な姿勢を大切にしていることを確認した上で、日本における経済史学の展開を論じます。その中で、本ゼミナールが取り上げるテキストである『岩波講座日本経済の歴史3 近代1』の特徴と位置づけが明らかになります。 本ゼミナールは、1冊のテキストを、参加者の皆さんと一緒に精読していきます。体系的に編集された本を通読することで、経済史研究の手法と思考方法を学ぶことができます。ここでとくに学んで欲しいのは、経済史研究の基礎にある歴史的思考です。歴史的思考とは、歴史的な事象を総合的・俯瞰的にとらえ、ある時代の歴史像を構築することを目指すことです。この目的に接近するために、我々は一つ一つの史実の歴史的位相を、時代の全体状況をふまえて、正確に把握することが必要になります。「全体を見る眼」とも言われるその思考方法は、歴史研究のためだけでなく、現在の時代状況を的確に把握するためにも必要な思考様式です。 また報告と議論に際しては、内容を正確に把握する能力とともに、問題点を析出・提示し、建設的に論じる能力の育成を目指します。そのため、担当する章の報告だけでなく、議論時における積極的な発言が求められます。意欲的な学生の参加をお待ちしています。 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 高橋 伸一郎、吉岡 拓如、藤本 優、加藤 洋一郎、萬木 孝雄、田中 智、福田 良一、五十嵐 圭日子、 吉田 修一郎、関澤 信一、 永田 宏次、清水 謙多郎、潮 秀樹、

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