2021Sシラバス
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総合科目 B(国際・地域) 30528 S 31096 S1 31097 S 講義題目 授業の目標概要 『源氏物語』の匂宮三帖と宇治十帖 講義題目 授業の目標概要 『源氏物語』の匂宮三帖(匂兵部卿・紅梅・竹河)と宇治十帖(橋姫~夢浮橋)は、光源氏死後の次世代の物語である。源氏の死の場面は書かれず、続篇の物語は、匂兵部卿巻冒頭の「光隠れ給ひにし後」という一節、いわゆる「ナレ死」から始まる。 本講義では、2017年の7月から半世紀ぶりの改版が始まった岩波文庫をテキストに用い(全9冊中、第8冊まで刊行)、正篇・続篇の分類では続篇に属する巻々の世界を味読する。物語の一語一語にこだわりながら共に精読してゆく。併せて、『源氏物語』全体についても理解が及ぶよう努める。 オンライン授業ということで、東大本『源氏物語』他の画像が検索できる「デジタル源氏物語」など、『源氏物語』の研究ツールについても随時紹介する。 歴史と社会から文学を考える。 19世紀の日本、すなわち江戸時代後期から明治時代前期の日本は、近世国家が近代国家へと転換する激動の時代であったが、そんな時代にあっても伝統文芸である和歌を嗜み、その重要性を説く人々がいた。彼らが和歌という文芸に何を求めていたのかを、古代以来の和歌と政治および社会との関わりの歴史に照らしながら講義する。 近年、「古典」や「文学」を「役に立たない」と見る向きも多い。しかし、本当に役に立たないのであれば、古典文学の代表とも言える和歌が千年近くも継承されたのはなぜなのか、むしろ和歌にも何らかの「実用性」があったと見るべきではないか。こうした問題意識のもと、和歌を詠む(+読む)行為を政治的・社会的行為として捉える視角と、和歌そのものの読解およびその解釈史とを複眼的に組み合わせて論じ、受講者が柔軟に「古典」や「文学」のあり方について再考する契機としたい。 時間割コード 時間割コード 時間割コード 開講 授業科目名 日本文化論Ⅰ 開講 授業科目名 日本語日本文学Ⅰ(理科開講 授業科目名 日本語日本文学Ⅱ 担当教員 田村 隆 担当教員 出口 智之 生) 口語文小説の成立 講義題目 授業の目標概要 現在、我々が何の疑問もなしに読んでいる小説の文体は、明治中後期に成立した、まだ百数十年しか経ていない比較的新しいものである。しかし、高校までの国語では「古文」と「現代文」をまったく別のテキストとして扱い、その両者がどのように接続し、いかにして「古文」が「現代文」になったのかということは、完全に視野の外に置かれている。 だが、考えてみれば、福沢諭吉が「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言へり。されば天より人を生ずるには、万人は万人みな同じ位にして…」と書いたわずか33年後、夏目漱石が「吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。」と書くまでの距離は、きわめて大きいはずである。この間の日本人は、どのようにして新しい文体を手に入れたのだろうか。 この講義では、幕末から明治にかけて「古文」が「現代文」になってゆく過程を紹介し、当時の人々が突き当った困難と、その結果成立した「現代文」すなわち口語文小説の文体に内包され、見過されている不自然さについて紹介する。 担当教員 青山 英正 所属 国文・漢文学 所属 国文・漢文学 所属 国文・漢文学 水 5 金 2 金 2 曜限 曜限 曜限 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 対象 1年 理科 2年 理科 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科

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