2021Sシラバス
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展開科目 文理融合ゼミナール 31612 S 31611 講義題目 講義題目 授業の目標概要 現代音楽作品研究 −− 聴取と実践を通して 20世紀以降の作曲には、作家の独自性が特に強く求められてきた時代でもあります。これは、作曲家が今までとは違う独自の作曲言語を持っているか、を強く問われてきたからでもあり、また同時に聴衆は、新たな視点と新たな解釈を希求し、作品鑑賞を通じて切り拓かれた新たな世界を体現することの喜びがそこに見出されてきたともいえるでしょう。本授業では、主に20世紀以降の現代音楽といわれるカテゴリーに分類される作品を聴き、各作品の創作方法や思考を学んだ上で、それらの知識や方法を基に学生自身も短い作品を創作し、発表するという演習形式の授業です。そして、創作を通じて得た思考や視点、創作過程で浮かび上がってきた課題について参加学生と意見を交わし共有することによって、知識や方法論を知るにとどまらない学びを体験的に実践していきます。 授業の目標概要 本授業では、主に20世紀以降の作曲家の作品を聴くことを通じて作品独自の特長的なアイディアや技法を学び、インプットしたそれらの知識を基に演習という形で実践的創作としてアウトプットすることによって、新しい視点や創造的な思考を身につけることを目標とします。また、創作についてのプレゼンテーションを通じて、参加学生や教員との積極的な対話からより多角的な観点を深め、なおかつ柔軟で自由な発想を培うことが本授業の目標です。 Archi-Choreographies/アルシ・コレオグラフィーズ 日常においておおむね無意識のうちにいつも作動している「他者に身体を動かされていること/他者の身体を動かしていること」を「アルシ・コレオグラフィー(原振付)」として捉えた上で、それを相互観察によって対象化・意識化することで、その操作・変形・転移・感染・停止可能性を探ります。言ってみれば、振付を考えることでダンスを新たに作り出すのではなく、それぞれが気づかないうちに踊らされている振付をやめる・変えることで消去法的にダンスを見出す試みです。 授業は二つのセクションを交互に行ないます。 (1)さまざまな「クセ」(寝癖、思考癖、口癖、その他)を、身体と世界との間の接触の身体側に残された記録とみなした上で、(多くの場合、自分では気づいていない)そうした身体や思考の偏りを受講生どうしで探し出し、その来歴を明らかにしたり、それを他人に移したりすることで、個人の「その人らしさ」という感覚がどこで生み出され、どのように変容するかを検証します。 (2)友人の振付家に依頼されてでっちあげたアルシ・コレオグラフィーの一般理論(もどき)のレクチャーと、それを受けての全員でのディスカッションを行ないます(*)。講義内容の理解はさておき、講義において露わになる教員自身の思考癖、口癖やその他の癖の観察、またディスカッションにおける受講生それぞれの振る舞いに見られる様々な癖と交わされる議論との関係の観察を主眼とします。 いずれにせよ、個人=ひとつの身体といういまだに多くのダンスの土台となっている身体観を多方面から解体し、そもそも何を「ダンス」と見なすのかを根底から考え直すことが目標です。 (*)理論の内容は、身体を「乗り物」(そして運動を移動)と見なすことで、さまざまなスケールにおいて作動している広い意味での振付を体系化するものです。たとえば、近年話題になっているマイクロバイオームや寄生虫学の観点から言えば、人間を含めた生き物の身体はその中にひしめく何十兆もの他の生物によって操られる乗り物であるし、あるいは逆に人間が自動車や飛行機などの乗り物を運転するときは操作主の身体感の拡張が伴います(アラスカではバスのことをピープル・ムーヴァーと呼びます)。また植物の形態や見た目は、他の生物を遠隔操作するために進化しています(だから花の美しさ(美学)は振付の問題でもあるわけです)。このような事例を物理的スケールに準じた5つのカテゴリー(依頼されたお題がPost DanceだったためすべてPからはじまる)に分けて考えます。人間の身体が微生物の乗り物であることや、身体と移動の結びつきが、現在のコロナ禍における自粛生活においてますます切実な問題として浮かび上がってきていることは言うまでもありません。 時間割コード 時間割コード 開講 授業科目名 文理融合ゼミナール(身体と芸術) 開講 授業科目名 文理融合ゼミナール(身体と芸術) S 担当教員 渋谷 由香 担当教員 中井 悠 所属 教養教育高度化機構 所属 教養教育高度化機構 月 4 金 5 曜限 曜限 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科

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