2021Sシラバス
108/367

基礎科目 人文科学 時間割コード 30174 講義題目 授業の目標概要 時間割コード 30556 S 近世フランス史概論――啓蒙の遺産―― 講義題目 授業の目標概要 この授業では、近世期フランスの社会と文化の特質を広く多面的に概観し、現在を時間のなかでとらえる視点や思考法を学んでいきます。具体的には、地理、言語、宗教や土地制度、司法行政システム、軍隊や教育、家族や子育て、人口と移民、医療や出版、食糧など多岐にわたりますが、これらをこの時期に確立されていく統治システムとも関連させながらみていきます。それによって、この数百年の社会形成の実際を学ぶとともに、とりわけ革命へと至る啓蒙期(18世紀)に、人と人との関わりや感じ考える仕方が、どのように組み替えられ、変化しつつあったかを考えていきます。 近世期のフランス社会は二重の意味で異文化ですが、その歴史を学ぶことにより現在との対話が可能になります。いまある世界の自明性から少しだけ距離をおき、過去の社会の政治や文化についてじっくり考えてみることで、現在の社会をみる目も広がっていくでしょう。 時間割コード 歴史Ⅱ 30593 S 日本の中世社会 講義題目 授業の目標概要 現代歴史学の流れは、1970年代前半までの戦後歴史学の時代、70年代後半から80年代の社会史の時代を経て、現在はさしずめグローバル・ヒストリーの時代にあるといえようか。この間に日本中世史研究も関心や視点、方法等をさまざまに変化させてきたが、大きくいえば、日本の中世社会を分裂的、多元的な社会とみる学説と統合的な社会とみる学説を両極として、その間を揺れ動いてきたようにみえる。この授業ではこれまでの研究成果や論争史をふまえながら、日本の中世社会の特質を日本史全体の流れのなかで、あるいは東アジア諸地域との比較において整理・究明するとともに、今後の研究の進むべき方向性についても模索してみたい。 開講 授業科目名 開講 授業科目名 歴史Ⅰ 開講 授業科目名 S 担当教員 岡田 泰平 歴史Ⅰ 東南アジア史概論 本授業では、東南アジア史を古代から21世紀まで、包括的に理解することを目指します。 簡単にこの地域の歴史を述べるにしても、以下のように煩雑です。東南アジアは、中国とインドの影響を受け続けた地域であり、大きくは大陸部と島嶼部に分けられます。15世紀~17世紀の「交易の時代」には商業的な交易が盛んになり、大陸部では影響領域がぼんやりと表れる近世国家が成立し始めます。島嶼部には港市国家が成立します。18世紀には大陸部ではビルマ人らしさ、ベトナム人らしさ、タイ人らしさを備えた国家が出来上がり、島嶼部ではオランダやスペインによる領域支配が徐々に確立していきます。また「華人の世紀」とも呼ばれ、華人が東南アジア各地に進出していきます。19世紀から20世紀にかけての近代では大陸部の民族国家がより統合されていくものの、西洋列強の領域支配も進んでいきます。また、島嶼部では、18世紀には終焉を迎えた東インド会社体制に代わり、オランダによるより直接的な侵略が強まります。その結果、19世紀/20世紀の世紀転換期には、東南アジア全域は、タイを除いて、西洋列強の植民地となり、その結果、国境が定められていきます。20世紀前半には、オランダ、イギリス、フランス、アメリカによる植民地支配体制がそれぞれに異なる植民地文化と抵抗の形に結びついていきます。1940年代の日本の侵略と敗北の中で、異なる条件の下で独立を果たしていきます。冷戦期には、資本主義と共産主義の間で、単純に二項には分けられない様々な国家体制へと展開します。 何がこの地域の歴史を煩雑にするかというと、人々の移動や相互の影響、異なる西洋列強による支配、伝統的な統一王朝の有無など、民族や王朝の連続を中心とした歴史が極めて語りづらいことにあります。このような中で東南アジア史の語り方はおおむね二つです。一つ目は、人やモノの交流史として論じる方法で、二つ目は、現代を中心に論じ、それ以前は背景として説明する方法です。前者の場合、様々な小地域で起きる異なる動きを追うことはあまりにも多様であり、全体像を把握するのが難しいという問題が生じます。後者の場合、過度に社会科学的な方法に頼りすぎ、東南アジアの固有性は見えにくいという難点があります。これらのアプローチとは異なり、本授業では各時代の東南アジアが、全体として、どのような特徴を持つのかという点を理解するように努めます。 授業の内容はなるべく以下のHPにアップするようにします。 https://taiheiokada.com/ 授業内容=>2021年Sセメスター歴史I「東南アジア史概論」 担当教員 長谷川 まゆ帆 担当教員 桜井 英治 所属 歴史学 所属 歴史学 所属 歴史学 月 3 火 5 水 1 曜限 曜限 曜限 対象 1年 文科 2年 文科 対象 1年 文科 2年 文科 対象 1年 文科 2年 文科

元のページ  ../index.html#108

このブックを見る