1年 文科 理科 2年 文科 理科 金 2 1年 文科 理科 水 5 1年 文科 2年 文科 時間割コード 時間割コード 時間割コード 展開科目 人文科学ゼミナール 50936 A 講義題目 授業の目標概要 古代ローマ史の古典的文献であるエドワード・ギボン『ローマ帝国衰亡史』の第2巻(第17章から第26章)を講読する。18世紀に書かれた本書は近代歴史学が成立する以前のものであり、学術内容的にはその後の研究によって取って代わられた部分も少なくない。しかし、授業ではそのような小難しいことを論じるのではなく、肩の力を抜いて学生と教員での読み合わせを行い、壮大なスケールを持つこの古典的名著を楽しみたい。ローマ帝政史は一般学生にはなじみの薄いテーマであろうが、分からないことがあれば適宜教員が解説をするので、専門家との読書を通じて、西洋の基礎教養であるローマ史に関する視野・知識を広げる機会にしてもらいたい。 著作の内容としては4世紀のコンスタンティノープル建設からいわゆるゲルマン人の大移動開始までのローマ帝国史を扱う。時代のスパンは短いものの、キリスト教のヨーロッパへの浸透をはじめ、コンスタンティヌス帝、背教者ユリアヌス、アタナシウスの活躍など見どころと教養的知識の多い箇所であり、歴史だけでなく、文学(ヨーロッパのみならず、近代日本も含め)、神学に興味のある者にも得られるところは多いであろう。授業の目的としては、一般的な歴史的知識を獲得するとともに、何より18世紀啓蒙時代の知識人の考え方・世界観に触れることを目指す。 50672 A 講義題目 授業の目標概要 いわゆる美術史の中で、現代アートと呼ばれる一群の作品群は、その内容の多様性、複雑さ、わかりにくさといった点で、それ以前の古典的美術とは明らかに異なる特性を持っている。本演習は、こうした現代アートの世界を、単に狭い意味での美術史の一部として扱うのではなく、むしろ様々な力が働く現代社会の力学(例えば、知識、市場、メディアといった)を象徴する一つの典型的な現象として理解することを目標とする。美術作品そのものというよりも、それを取り巻く様々な諸制度、例えば美術館、画廊、評論家、市場、メディア、流行思想、政治、さらには現代アートを支えるいろいろなテクノロジがお互いにどのような相互作用でこうした世界を作り出すかを、美術評論のみならず、社会学、文化人類学、文化経済学等の文献を中心に読み解いていく。 50173 A 講義題目 授業の目標概要 古代日本の文献には疫病流行の記事があちこちに見られる。なかでも甚大な被害をもたらしたことで知られるのは、天平七~九年(735~737)の天然痘大流行だ。一説に、当時の日本の全人口のうち、四分の一ないし三分の一が落命したとされる大惨事だった。この死亡率は、十四世紀半ばにヨーロッパを襲った黒死病の場合にほぼ匹敵するという。 疫瘡がいったん終息したかに見えた天平八年夏、当時外交関係が険悪化していた新羅へ使節団が派遣された。『万葉集』巻十五の前半に、彼らの残した歌145首が掲載されている。これによれば、ままならない航路をたどってようやく壱岐島に到着したとき、乗組員に「鬼病」を発して急死する者が現れた。当該歌群にはそのときの挽歌が3組載っていて、その先には対馬停泊時の作21首があるが、往路の歌はここまで140首あるのに対し、復路の歌は5首しかない。航行中、船内でクラスター感染が発生して大使は死亡、副使以下30名も罹患し、北九州で二ヶ月もの臥床養生を余儀なくされたのだ。死者が何人出たかは記録されていないが、相当数にのぼったことは想像に難くない。 翌天平九年、疫瘡は平城京に襲いかかり、台閣の重要人物のうち三分の一の命を奪う。長屋王を謀殺した藤原四子も次々に落命したため、疫の流行は王の祟かとも囁かれたらしい。一件は巻六の行間にも書き込まれていて、迷走する聖武治世に対する沈黙の批評となっている。 以上の二箇所を精読しつつ、疫瘡と当時の日本の国際関係や世界像との関係がどう語られているか掘り下げていく。 開講 授業科目名 人文科学ゼミナール(歴史学) 開講 授業科目名 人文科学ゼミナール(文化人類学) 開講 授業科目名 人文科学ゼミナール(テクスト分析) エドワード・ギボン『ローマ帝国衰亡史』を読む 現代アートを観察するー制度、市場、社会とのかかわりの中で 『万葉集』と天平の疫瘡大流行 担当教員 田中 創 担当教員 福島 真人 担当教員 品田 悦一 所属 歴史学 所属 文化人類学 所属 国文・漢文学部会 月 5 曜限 曜限 曜限 対象 対象 対象
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