1年 文科 理科 2年 文科 理科 時間割コード ■全学体験ゼミナールを履修する場合は、必ずUTASでシラバスを参照し、本冊子には掲載されていない詳細な授業内容等を確認したうえで、履修登録を行ってください。 【注意】オンラインで実施する件。 2020年度Aセメスタは宿泊を伴う主題科目を実施できません。中止にする他ないかと悩みましたが、思いとどまることにしました。 伊豆で行う完全版には遠く及ばないと思いますが、不完全でもいいじゃないか、今できることに前向きに取り組んでみたいと思い、新しいスタイルで本ゼミを企画することにしました。 「伊豆に学ぶ」シリーズは体験ゼミのカテゴリーにありますが、様々な体験をできるアクティビティに参加していただき、次に体験したことについてじっくりと「考える」という構造のゼミとなっています。このように「考える」ことを中心に据えたスタイルであることを大きい特徴としています。 対面して、一緒に体験する・考える時間を過ごしたいところでありますが、この肝心な部分を在宅での体験に置き換えて実施しようという、伊豆ゼミを始めて以来考えたこともなかった新しい形態を模索することになります。伊豆に行かないけれども「伊豆に学ぶ」という講義名を変更しなかったのは、「伊豆に学ぶ」ゼミのコンセプトを変えずに提供したいとの思いを込めてのことです。新型コロナ禍が収まらない中、「対面」(伊豆ゼミではとても重視しています)なしで実施可能なスタイルを探ることにしました。 はじめに 体験ゼミ「伊豆に学ぶ」シリーズは、山のことや自然のことにあまり詳しくない初心者向けの講義です。垣根を低く設定してありますし、分かり易いことと伝わり易いことを心がけて、工夫して組み立てた体験型のゼミですから、知りたいという思いさえあれば、色々なことを学べます。例えば初日に菜の花畑と早咲きの河津桜を見学します。もちろんぼんやり眺めても楽しめる装置であることは間違いありません。あなたが観光客ならば「わー。きれい! 超ヤバー」とか言っていればいいのかも知れません。でも、ゼミの視点で眺めてみると、そこからも数々の学びや気付きを引き出すことができることに気付きます。そして、ゼミでその様な取り組みをする方が、ずっとおもしろいことに気付くはずです。このように伊豆ゼミでは、受講学生それぞれが感じることと考えることを特に大切にしています。 また、伊豆ゼミでは東大生のまじめな一面を引き出して、一人一人が魅力ある人格として、相互に作用しあったり高めあったりするそういった「場」を提供したいと考えています。東京大学が総合大学であることを満喫していただけるようなゼミを目指します。自分とは背景の異なる人が、何をどの様に捉え、感じ、考えるのかを知ることは、お互いにとても刺激的な体験となります。思いがけないインスピレーションを得ることもあるでしょう。 全ての伊豆に学ぶシリーズに通底する背景 「伊豆に学ぶ」シリーズは、人と自然のつながりや、人と人のつながり、そして現代社会において見えにくい「プロセス」が見えてくる仕掛けであることを基本としています。そのコンセプトは熱帯編でも同じです。チョコレートやプリンが大好きという人は少なくないでしょう。それらの原料が、カカオやバニラという植物由来であることを知っている人も少なくないでしょう。しかし、それらがどういう植物なのか、実物を見たり触ったりしたことがある人はいるでしょうか。実際にカカオを焙煎して、細かく挽いてカカオバターと混ぜて練ったことがある人はいるでしょうか。その製造の過程で、きめ細かい温度制御が求められることを知っている人は果たしているでしょうか。このゼミ中に完成させるカカオを出発材料とする手作りチョコレート(ビーントゥーバー)は、それはそれは価値あるものであることは間違いありません。是非、店で売っている普通に手に入るチョコレートと食べ比べていただきたい。その体験こそが、このゼミでしかお伝えできない事だと言っても過言ではありません。手作りした甲斐あって美味しいのか?をここで言及することは無意味で、それを伊豆に来て実際に確認して欲しいと思っているのです。 本ゼミは農学生命科学研究科附属演習林の樹芸研究所で展開される。樹芸研究所と聞いて「樹芸」ってなんだ??と思うだろうか。「樹芸」とは樹に親しみ、樹を暮らしに役立て、樹を育むことを包含する言葉と私たちは定義している。樹芸研究所が開講する一連の体験ゼミは「人の暮らしと生態系の関わり」を基調に、「樹芸」体験を盛り込んで、学ぶということの原点を見直すことに重きを置いています。「伊豆に学ぶ―熱帯植物編―」は森林・樹木の物質生産機能に重点を置いた体験ゼミで、熱帯植物を使う樹芸体験を用意しています。チョコレートやプリンやバニラアイスなど、私たちの日常生活において在り来たりになっているモノたちに焦点を当て、日頃の生活において見ようともしない・気付こうともしない、見えにくい「プロセス」を探る旅に出ましょう。熱帯まで足を運んでもできないことを、東大生はなんと伊豆で体験デキルのです。 樹芸研究所と下賀茂寮のある伊豆半島南部は、シイ・カシの常緑広葉樹が優占する森林が多いのですが、かつて人の暮らしに役立てるために植えられた竹林が人の暮らしぶりの変容に従って放置され大きな問題となっています。この問題は、人間の勝手で自然を乱開発して破壊するという種類の問題ではなく、長い年月行ってきた自然への干渉の手を引いて放ったらかすという点に大きな特徴があります。 意識してみるとそういう現象は他にもたくさんあることに気付くでしょう。このゼミナールではその問題の竹林の有効利用の一つとして竹炭生産をとりあげ、竹の伐採、窯詰め、炭焼きの作業を行いながら、これらの問題の本質が何なのかを一緒に考えてみましょう。簡単に「考えてみよう」と書きましたが、考える前にまず感じられる「感性」を研く必要があるかも知れません。本ゼミでは「そこ」の部分が大切です。ただ「炭焼きを体験したことがある東大生」を育てたいわけではないのです。 伊豆ゼミの流れ 竹炭焼きの待ち時間には、樹芸研究所の森林を見てもらいます。近年大きな問題となっている獣害の現場をよく見て 全学体験ゼミナール 60232 A2 授業の目標概要 開講 伊豆に学ぶ_オンラインによる不完全版 伊豆で実施した「竹炭焼き、山、桜、菜の花、温泉など自然と人の繋がりをまなぶ」のエッセンスをひとかけらでもお伝えしたいという思いで作る講義題目 担当教員 鴨田 重裕 体験ゼミ 所属 農学部 曜限 単位 集中 2 対象
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