2020Aシラバス
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1年 文科 理科 2年 文科 理科 時間割コード 全学自由研究ゼミナール 51418 A1 授業の目標概要 開講 講義題目 伊豆に学ぶプラス20A1 「感じる・考える・行動する」サイクルの発動 新型コロナウイルスの影響により、通常の「伊豆に学ぶプラス」講義を展開できずにおります。やむを得ず、Sセメスタより講義スタイルを大幅に変形しての実施を試みました。対面講義の方がよいに決まっている、という固定概念を一度捨ててみることに徹してみたところ、見えてきたことがありました。それはこの自由研究ゼミのバックボーンともいえる「伊豆に学ぶ」のコミュニティの活用です。通常の伊豆に学ぶプラスの講義は駒場キャンパスという場所と1〜6限という時間を同時に満たさなければ参加できないという制約がありました。(もっとも、この制約が、しっかりと一人一人と向き合いながら議論ができる土壌を生んでいたと捉えることもできます) オンラインで実施することを検討してみると、その制約から解き放たれるということに気づきました。真っ先に思ったのは、既に社会人となって活躍されている伊豆ゼミOB/OGを再び招じ入れて、現役の大学生と交流してもらうというものです。試してみると、2007年2月の初回ゼミのOBから今年社会人になったばかりのOGなど、多くのゼミ卒業生がこの取り組みに興味をもって参集くださり、「伊豆に学ぶ」ゼミでの体験について議論してもらうことができました。 本自由研究ゼミの受講対象は全学体験ゼミ「伊豆に学ぶ」「森に学ぶ」シリーズの既修者とし、既習のゼミを十二分に振り返ることを目的とします。よい振り返りを行うために、いろいろな価値観・視点からの他の参加者の振り返りに触れることが肝要です。OB/OGの参加は、現役ゼミ生の視点とは異なる、社会人ならではの視点から、伊豆に学ぶシリーズの振り返りに接する機会を与えてくれるものと期待されます。OB/OGは一方的に教育的効果を与えるばかりかというと、決してそうではなく、忘れかけていることを思い出したり、誤解したままになっていたことを訂正したりする機会にもなります。交流が双方に刺激を与えうるという、このオンラインスタイルの可能性も感じられました。 この講義の最大の目標は、伊豆ゼミ運営に関わる学生スタッフの育成と組織化である。学生スタッフとは一ゼミ生でありながら、伊豆ゼミをよく理解するファシリテーターとしてゼミにおいて自律的に活躍してゼミの目指すべき方向性を示す、伊豆ゼミの中核となる存在である。大役と思われるかもしれませんが、大きく成長する機会となりましょう。大役と聞いてちょっと尻込みする皆さんを「育てるのがプラスの講義」ですから、「案ずるより産むが易し」と励ますのも私の役割です。 さて、近年「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」が制定されるなど環境教育の重要性は社会的認知度を増した。実際、「持続可能な社会の実現」というキーワードを意識せずには将来を考えられない状況にある。しかし、環境教育は初等・中等教育において既に「完了」したことになっており、大学生ともなればその手の「環境教育」は卒業済みなのでもう考えることはないといった風になってはいないだろうか。法が謳うように、環境保全活動及び環境教育を自ら進んで行うような流れになっているだろうか。 環境教育が重要だとされるが、その真意はなかなか学生の皆さんには伝わりにくいのではないか。もしかすると伊豆ゼミは、その伝わり難い部分を少しだけでも補えるのではなかろうか。これまでに受けて来た環境教育は、おそらく大学受験ではほとんど役に立たなかったと思われる。受験で役に立たなかったことを、社会に出てからも役に立たないことだと思い込んでいる節はなかろうか。「環境保全の意欲」が低いのは、身につまされる経験がなければ致し方ないことかも知れない。真に社会の役に立つ人材となるために、そんな誤解は早々に解くべきでしょう。 「伊豆に学ぶ」シリーズでは、環境の問題、景観の問題、獣害の問題など身近な森林が抱える様々な問題を意識化するために、現地に足を運び、伊豆半島に特徴的な事象観察を行い、また、実体験を交えて自分の五感で体験学習した。受講者は色々なことを気付ける自分に気付くという思いがけない体験をしたと思う。そもそも学びとは一体何なのだろうかと、少し自問する気分も生じたのではあるまいか。また、同じ体験をしながらも、自分とは違った見方、感じ方で捉える同世代の大きな存在も強く意識したに違いない。 伊豆ゼミは、高い志と低い垣根の両立を目指して丁寧に組み上げ、第一に「感じる」ことを大事にしている。正味4日程の短い間に、様々な「つながり」を感じられる仕掛けに仕上げたつもりである。 本講義「伊豆に学ぶプラス」は、伊豆ゼミの果実を確かなものにすることを大きな目標とし、真剣に考え・顧みて、議論することを大切にする。最近の若者を支配する「空気を読む」ことを半ば強要するような雰囲気には、異を唱えたい。同じるばかりに気が行っては、自由にとことん議論して真に和するということがないのではないかと心配になる。和して同ぜず。色々な背景を背負った受講生同士が異なる意見を吐露し合い、むしろ意見が違っても大切に思っている根っこの部分が同じであったり共通性があったりすることに気付くこと、そういう仲間の存在のありがたさを知ることを実現する「場」を本ゼミに具現したい。受講生同士のつながりから、己と社会のつながりをいかに構築していくかを模索し、社会の一員として環境保全に取り組むべきと強く意識できることを期待したい。学生が主体となり、自由に学ぶ「場」を実現すること、それが全ての伊豆に学ぶシリーズに共通する理念であり、伊豆に学ぶプラス生が果たす役割である。総合大学ならではの面白さを追求したいと考えている。 ※ガイダンスはオンライン(zoom)で行います。 ・参加希望者はizu.seminar(アットマーク@)gmail.comまで、氏名・学籍番号を知らせてください。 ・件名を「自由自主のチョコゼミ」としてください。 ・それぞれの回に申し込み締め切りを設定しています。遵守願います。 ・ZoomのURLはメールでお知らせします。 ①9/26(土) 20:00〜21:00(締め切り9/25 13時) ②10/3(土) 20:00〜21:00(締め切り10/2 13時) 担当教員 鴨田 重裕 所属 農学部 曜限 単位 集中 1 対象

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