1年 文科 理科 2年 文科 理科 水 5 原 裕太 A 時間割コード 全学自由研究ゼミナール 51438 授業の目標概要 開講 講義題目 自然環境と農業農村から考える東アジア研究 ■ 授業の概要 環境問題・社会問題は,既存の教科や研究領域を大きく越えて相互に複雑に結びついている。そのため,狭い空間範囲や短い時間スケール,狭い研究領域では,対策がうまく進まず,場合によっては決定的な誤りを生む可能性がある。「持続可能な社会」の実現に向けて,自然と人文の諸事象の相互関係を総合的,俯瞰的に捉え,そのなかで守るべきもの,改善すべきものを導出する力が求められている。本授業では,自然環境と人間社会との関係性について,以下の3点から考える。 1)人間社会に与える自然環境の影響 2)自然環境に対する人間社会の影響 3)自然環境の保護・保全に対する人間の役割 事例として,自然環境変動,文化の多様性,自然災害,農村の貧困問題,人の健康,観光開発などを取り上げ,イシュー間の相互関係を見つめ直す。とくに,政治・経済や東洋史の枠組みで扱われることが多い隣国・中国に焦点を当てる。これにより,多様な顔を持つ中国に対する新たな視点の取得を目指す。関連して,地球環境・地域環境の把握に有効な,人工衛星による地球観測の技法や,デジタル地図・統計資料などの扱い方も紹介する。以上を通じて俯瞰的思考力を養う。 講義と並行して,履修学生が関心をもったテーマ・切り口を選び深掘りする自由研究ワークを行い,参加者全員で意見交換することを予定している。当該ワークでは,オンラインでの学術情報の収集,見やすい資料の作成,データ表現などの方法について随時サポートする。作業と議論を通じて,学問分野の隔たりや,社会と学術の壁を取り除くための基礎的なコミュニケーション・スキルの習得を目指す。最後にワークで得られた知見をレポートとして纏める。 ■ 到達目標 1.自然環境と農業農村に関する視点から,日本と東アジアの社会,歴史,文化を理解する。 2.中国を事例に,様々な環境問題・社会問題の史的展開と現状を知り,とくに発展途上国・新興国における問題の複雑性について理解する。 3.「持続可能な発展(Sustainable Development)」や「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)」,「超学際(Transdisciplinary)」の理念についての理解を深め,自然環境や人間社会に関わる諸要素の知識を用いて各国各地域の環境問題・社会問題に多角的な視点でアプローチできるようになる。 担当教員 永田 淳嗣、所属 教養教育 高度化機構 曜限 単位 2 対象
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