2020Aシラバス
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1年 文科 理科 2年 文科 理科 1年 文科 理科 2年 文科 理科 時間割コード 時間割コード 総合科目 B(国際・地域) 51098 A 講義題目 授業の目標概要 この授業の目的は人類学の視座に基づいて死を探究することである。20世紀前半までの古典期に属する人類学および民族学は、死の社会-文化的様態を射程に含む学術領域群の最前線にあった。進化主義と伝播主義を軸とする通文化的洞察や、その後に続く機能主義人類学の民族誌的記述は、理論と背景に種々の難点を有するとは言え今日でも死をめぐる思考に豊かな示唆をもたらしている。しかし1960年代から医療・臨床・終末期心理への照射を中心に形成されてきた学際的な死の研究(デス・スタディーズ)の潮流が拡大すると、概して局地的習俗の様態から死を見つめるという手続を採ることの多かった人類学は徐々に周縁的かつ補完的な位置に退き、その情況は現在も続く。本授業では「人間が死ぬこと」をラディカルな経験科学として捕捉することを試みてきた人類学の系譜を再省察し、今日的なトピックに関する議論も交えながら、より先鋭的に現代の死を考える人類学的アプローチを紡ぎ出していくことを目指す。 50276 A 講義題目 授業の目標概要 文化人類学(以下「人類学」と略)はもともと、世界の諸民族を研究する「民族学」を原点とする学問だった。しかし、今日の人類学はそうしたイメージからかなり遠いものになっている。「未開」や「伝統」はもはや人類学の中心的テーマではなく、今日の人類学者は、例えば先端科学のラボやインターネット上の世界などもフィールドワークの対象にするようになった。そのような現代人類学は、人類学の過去の学問的遺産とどのように連結しているのか。そして、そうした伝統の上に立つ現代人類学は、どのような独自の知見を我々にもたらしてくれるのだろうか。 過去から現在そして未来の人類学へと向かう、こうした流れの全体を見通すために、映像(写真を含む)は有益な土台となる。人類学者はフィールドワークという作業をつねに重視してきたが、そこで大事なのは、「言葉で表現されたもの」と同じかそれ以上に、「言葉で表現されていないもの」であって、映像は、うまく使うならば、この後者(およびその前者との関係)をダイレクトの感じ取らせてくれるのだ。それゆえこの授業では、映像的素材を見ながら、フィールドの現場を間近で想像しつつ、古典的および現代的な人類学の独特の思考方法を学んでいってほしいと思う。 かつて「文化」、「社会」は人類学の基本概念であった。しかし実は、人類学は「文化」、「社会」の概念なしでも十分にやっていけるし、そういう考え方のほうが人類学的思考の今日的な現場に接近しやすいとも考えられる。この授業でのキーワードは、従って、社会・文化を次第に離れ、イメージ・自然・身体といったものになっていくはずである。このあたりの事情は、授業全体を追うなかで、少しずつ確実に理解していってもらえると思う。 開講 授業科目名 文化人類学Ⅰ 開講 授業科目名 文化人類学Ⅱ 死の人類学 人類学的思考とは何かー映像/イメージを通して学ぶー 担当教員 田中 大介 文化人類学 金 5 担当教員 箭内 匡 文化人類学 火 2 所属 曜限 所属 曜限 対象 対象

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