2020Sシラバス
94/449

金 4 初年次ゼミナール理科 31532 授業の目標・概要 (授業の概要) 31459 成績評価方法 授業のキーワード 化学、原子・分子、構造、分光学、スペクトル 教科書 ガイダンス 授業の目標・概要 「グローバル化」はこれからの日本を担う若者にとって避けて通れないキーワードである。戦後復興の象徴としてオリンピック・万博が開催された時代から、半世紀が経過しグローバル化は情報技術の発達と市民社会への浸透も相まって、あらゆる面で大きく進み、その影響は広範に及んでいる。 国民皆保険制度による日本の医療もまた、この変化とは無縁ではない。国境に制約される医療制度と、グローバル化による人の移動の拡大の影響の、いわば、せめぎあいが「医療のグローバル化」の姿である。国民皆保険制度が極めて発達し強固に守られてきたところに、新たな社会発展の基盤として国境を越えた人の往来の活性化が政策となり、医療もその発展の一翼を担うことを期待され、政府主導による対応が急速に進められているところに今の日本の特徴がある。 「日本の医療は素晴らしい」、イメージだけをもとに、「医療のグローバル化」の中で躊躇なく訪日を選択すると期待する向きもあるかもしれない。しかしながら、そう簡単ではない。日本の医療の強みは有機的な医療システム全体にあり、ジャパンブランドのみで医療を分かりやすく国外に発信するのは意外に難しい。 移植医療を例にとってみてみると、技術的にも臨床成績の上でも、世界に冠たるものがあり、臓器移植に必須の免疫抑制剤の開発をはじめとする研究業績もすぐれている。一方で、移植医療は患者個人で完結するものではなく、ドナーの存在が不可欠であり、成立には通常の医療資源とは異なるレベルでの社会的合意が必要である。マーケットフォースによるグローバル化が今後も情け容赦なくすすむ中で、倫理観と戦略のバランスを図り、発展の途を探ることが求められる。 オリンピック前に開講される本プログラムを通して、移植医療を題材に、臨床医療をグローバル化というキーワードで捉えたときにあらわれる課題を共に考える過程を通じて、次の万博が開催される頃には社会に巣立っているであろう学生に、各々の分野の現場で「グローバル化」を咀嚼するスキルをみつけて頂きたい。 評価については、点数化はせず合否のみ 教科書は使用しない。/Will not use textbook 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 成績評価方法 授業のキーワード 移植医療、臓器移植、組織移植、国際診療、臨床医療、グローバル化 教科書 ガイダンス 水分子が、1個の酸素原子と2個の水素原子からなり、折れ曲がった二等辺三角形のかたちをとることはよく知られています。このように非常に小さな分子の構造はどのようにして決定されたのでしょうか。本初年次ゼミでは,この疑問から出発し,分子の形がどうすればわかるのかを調べ、なぜわかるのかを考えてもらいます。具体的にどのような測定データにもとづき分子の構造が決まるのかを、様々な文献やデータベースにもとづいて調べます。そのあと、それぞれ1個の元素を選び、その元素のもつ特徴を明らかにしながら、どういう物質を構成しうるのかを考えます。授業の進行は,4,5人のグループで行い,グループ毎にテーマを設定してもらいます。グループ中で様々なアイデアを出してもらい,また議論してもらい,最終的にグループ毎にまとめた結果を発表してもらいます。 (授業の目標) 1.分子のかたちはそうすればわかるかという素朴な問いから,この疑問を解き明かすというアカデミック体験をしてもらいます。 2. グループごとに1つの元素を選択し、その元素からどのような物質ができそうかを考えます。 3.問題を解決するにあたって,グループワークをしてもらい,お互い疑問点を出し,議論し,分からない部分は教え合いコミュニケーション能力を身につけます。 4.最終的に自ら設定した課題について,その結果を発表してもらい,プレゼンテーションの能力を身につけます。 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価する。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 K501 K303 水 3 分子の形を知り、物質をデザインする 移植医療と国際診療~臨床医療の グローバル化について考える 真船 文隆 田村 純人 化学部会 医学部

元のページ  ../index.html#94

このブックを見る