初年次ゼミナール文科 31758 木 2 キルケゴール『不安の概念』を読む 授業の目標・概要 【共通目標】 31759 木 2 授業の目標・概要 【共通目標】 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回目の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 キルケゴールによれば、不安とは「自由のめまい」である。それは、われわれ人間が、動物的な直接性を生きることをやめ、「可能性」という得体の知れないものに唆されながら存在せざるをえない以上、不可避的に生じる「めまい」なのだ、と分析されている。そのような人間存在の根本構造の核心を、「性愛」や「罪」や「悪魔的なもの」との関連において考察した『不安の概念』(1844)は、20世紀の実存哲学を準備した人間存在論の古典である。この授業では、その論考の重要箇所を一緒に読解しながら、私たち人間のあり方の根っこに潜む不安な揺らぎの正体について共に考えてみたい。 本書は、けっして分かりやすい本ではない。キリスト教思想やヘーゲル哲学等に関する知識を前提したような、いささか独りよがりな書きぶりが、多くの読者を「挫折」させがちであるのも事実だろう。だが、自分たちとは異なる時代の異なる文化的伝統に属するこのような古典を苦労して読むことを通して、必ずや、受講生の皆さんには、自分たちの人間理解と自己反省の幅を大いに広げるチャンスが与えられるに違いないと信じている。 授業は、キルケゴールのテクストの講読演習という形式をとって展開するが、目ざされているのは、単なるテクスト解釈ではなく、受講生各自が自分の問いを発見し、その問いを深く論理的に掘り下げていく修錬を重ねてもらうことである。 【学術分野】哲学・科学史 【授業形態】ディシプリン型 文献批評型 出席、報告および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。 次の教科書を使用する。/Will use the following textbook 書名 著者(訳者) セーレン・キルケゴール 出版社 ISBN 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 成績評価方法 授業のキーワード キルケゴール、不安、自由、デモーニッシュなもの 教科書 ガイダンス 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回目の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 スペインの作家セルバンテス(1547-1616)の手になる『ドン・キホーテ』(前篇1605、後篇1615)は、近代小説の元祖と評価され、フロベールやドストエフスキーをはじめとする世界の名だたる作家たちに多大な影響を与えてきた。この授業では、『ドン・キホーテ』前篇の抜粋を日本語で精読しながら、本作品のどこがそんなにすばらしいのか、古典文学を研究するとはどのような行為なのか、今日古典を読むことの意義は何なのか、といった問題を考えてゆきたい。また、これまでになされてきたこの小説の翻訳の比較検討も試みたい。 【学術分野】外国文学 【授業形態】文献批評型 出席、報告および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。 次の教科書を使用する。/Will use the following textbook 書名 著者(訳者) セルバンテス(野谷文昭ほか) 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 成績評価方法 授業のキーワード 近代小説、書物と現実、語りの技法 教科書 ガイダンス 『不安の概念』 平凡社ライブラリー 4582768822 セルバンテス 集英社 978-4-08-761046-8 集英社文庫ヘリテージシリーズ ポケットマスターピース13 118教室 149教室 を精読する 古荘 真敬 竹村 文彦 教養教育高度化機構 教養教育高度化機構 セルバンテス作『ドン・キホーテ』
元のページ ../index.html#42