1年 文科 理科 ビーントゥバーチョコレート 2年 文科 理科 作り体験から学ぶべきことS2 【注意】この授業は、開講日程の都合上、成績が所定の確認日より後に公開される見込みが高いので留意すること。 なぜチョコレート作りを大学の教材に? 大学生も教養として、チョコレート作りもできたらいいかも知れない。 今あなたはこんな風に思いましたか。 いいえ。本ゼミでは雑学として、皆さんをチョコレートに向き合わせるつもりはありません。あくまでも「考える」きっかけとしてチョコレートをとりあげてみたいと思っているのです。 敢えて言えば、チョコレートを作れる大学生を育てたい訳ではないのです。 育てたいのは自律的に考えられる大学生です。「自律的に考えられる」の先には、当然のこととして、判断して行動するということが包含されます。 何を考えるべきなのか? それを自分で見つけるには、豊かな感性が必要になります。感覚が研ぎ澄まされていなくては、考えるべきポイントを見つけ出すことなどできません。 ここまで書いたようなことは、残念ながら受験勉強では身に付きにくいと思われます。むしろ受験勉強の邪魔になることもあるかも知れません。受験のテクニックとしては、自律的に自分のやり方を模索するより常法をしっかりと身に付けることの方が重要です。感性など、受験にはもはや不要かも知れません。 受験勉強を終え大学に入学した君たちには、是非ここで立ち止まって熟考していただきたい。これから君たちが生きていく世界がいったいどんなことになっていこうとしているか。自分はどの様に社会の中で生きていくべきか。遣り甲斐のある社会参加の仕方をどの様に探っていこうかと。 ちょこっと話が行き過ぎたかも知れないので、チョコレート噺に戻そう。 今現在、チョコレートはとても普通な存在です。普通のモノ、在り来たりのモノって、皆さんよく知っている気分になるものです。大切なことは、そのよく知っているつもりのチョコについて、実はほとんど知らないということを知るコト。 思い込んでいることっていうものは、これをリセットするのはなかなか難しいことです。 意識することのなかった事柄やプロセスに、しっかり意識を向けることは、これまた難しいことです。 それを可能にする手法・手段として、全学体験ゼミ「伊豆に学ぶ」シリーズや、「森に学ぶ」シリーズを用意しています。本自由研究ゼミはその流れの中に位置づけられているものです。 意識することのなかったプロセスを、一通り体験することで見えること・気付くことがあるというコトへの気付き。 南伊豆の樹芸研究所では温泉熱を利用した温室で熱帯産有用植物を育てている。その温室で収穫したカカオを使ってチョコレートを作り市販したのが5年前のことです。日本国産カカオによるチョコレートを市販した第一号案件となります。 「伊豆に学ぶ」シリーズでは、現代人を取り巻く様々な関係が希薄であること、それがために諸処に自分と様々な対象物や対象事象との繋がりに実感が伴わないこと、皆が当事者意識を持てないことが問題をさらに深刻化させていることなどを重要な気付きとして位置付けています。 伊豆ゼミを受講した学生であっても、ゼミ中に得たその「感覚」はそのまま放置すると、あっという間に風化してしまいます。それは実にもったいないことです。 本自由研究ゼミナールは、体験ゼミ「伊豆に学ぶ」とは少し違う角度から本件について考察を深めていきたいと考えています。違う角度とは何か?このゼミナールでは自律的に企画することにより、「伊豆に学ぶ」とは違った視点得て、発信することを通して深く考える力や行動する力を涵養してもらいたい。 感じる力、考える力、行動する力。東大生に足りないものは何であろう。 一度立ち止まって、ゆっくりじっくり自分流に自分の人生を振り返ってみて欲しい。多くの東大生が回り道をしたがらず、効率重視で最短を突き進むべきと考えがちであるように見受けられますが、果たしてそれで良いのでしょうか。ともすれば価値観まで人任せにしてしまっていたりしないでしょうか。皆が価値あると言うものにしか価値を見出せなかったり、自分にとってどういう価値があるのかを考えもしなかったり、そんなことはありませんか? このゼミでは学園祭に「ビーントゥバーチョコレート作り体験」を来訪者にしてもらう企画を打ち出します。このゼミはまず動くことから始めるゼミです。企画のデザインをどうしようというところから手作りする、そんな実験的なゼミです。私はこの手の実験が成立するところを何度も見て来ました。今回、どんな面白い展開になるかは、君たち次第ということになります。自由と自主の取り組みを存分にお楽しみください。 ※受講人数:特に設定しない ※講義の目標:自主・自律に動けるようになること。様々な問題を他人ごとにしない気分を身に付けること。学園祭企画を立ち上げること。 ※開講場所:駒場と弥生キャンパス(五月祭) ※駒場での講義:隔週で月曜6限を基本。企画進捗に合わせてゼミ生同士で打合せや作業を。 ※五月祭:先学期のゼミ生が実施するビーントゥバーチョコレート作り体験企画に合流します。 ※駒場祭:新たにビーントゥバーチョコレート作り体験ができる企画を立ち上げます。(S2ゼミ) 授業中の取り組み姿勢、企画立案および企画実行の取り組み姿勢、責任ある行動を重視する。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 特定日に行う。/Will conduct guidance at another time 2020年06月08日2限/2nd Period12号館1221教室(6/22, 7/6, 7/13にも実施します) 全学自由研究ゼミナール 40282 S2 授業の目標概要 評価方法 教科書 ガイダンス 1.0 時間割コード 開講 講義題目 担当教員 所属 鴨田 重裕 農学部 集中 曜限 単位 教室 対象 シラバス参照
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