2020Sシラバス
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1年 文科 理科 2年 文科 理科 全学自由研究ゼミナール 31658 S 授業の目標概要 <このシラバスが目に留まった人へ。受講の有無にかかわらずシラバスだけでも一読いただけると嬉しく思います。> 日本のいたるところで人と獣との軋轢が増している。 天敵となる肉食獣オオカミを絶滅させたことが原因であるとして、外国産オオカミを導入しようという提案も聞こえてくる。果たしてオオカミを導入すればすべてが解決するのか。その辺りも本ゼミで議論するべきポイントとなるであろう。最後のオオカミが目撃されたのは20世紀に入ってすぐの頃だから、いわゆる「獣害」の拡大が目立つようになるまでのタイムラグがずいぶん長いように思われる。 このゼミでは人の暮らしぶりの変容に注目して、我が国の国土の問題を学生の皆さんと一緒に考えたい。問題を考えるばかりではなく、この国のありようを、そして私たちは何をするべきなのかを考えたい。そして、それについて社会に発信することに取り組んでみよう。 南伊豆も獣害と向き合う地域の一つで、農林業は獣の影響が深刻です。しかし、どんなに深刻な問題が地域に存在していても、東京で暮らしていると、問題の重大性が希薄にしか伝わってこず、他人事になりがちです。本ゼミを通して獣害問題をすこしでも自分事として考えられるようにしたいものです。 2019年にはイノシシがJR国立駅近くや足立区の河川敷に出没したと報じられました。私たちが獣との軋轢の問題を自分事としてとらえるに至るには、今より相当に深刻の度合いを増すまで待たねばならないのでしょうか? 「伊豆に学ぶ」シリーズでは、現代人を取り巻く様々な関係が希薄であること、それがために諸処に自分と様々な対象物や対象事象との繋がりに実感が伴わないこと、皆が当事者意識を持てないことが問題をさらに深刻化させていることなどを重要な気付きとして位置付けています。 伊豆ゼミを受講した学生であっても、ゼミ中に得たその「感覚」はそのまま放置すると、あっという間に風化してしまいます。それは実にもったいないことです。 本自由研究ゼミナールは、体験ゼミ「伊豆に学ぶ」とは少し違う角度から本件について考察を深めていきたいと考えています。違う角度とは何か?このゼミナールでは自律的に企画することにより、「伊豆に学ぶ」とは違った視点得て、発信することを通して深く考える力や行動する力を涵養してもらいたい。 感じる力、考える力、行動する力。東大生に足りないものは何であろう。 一度立ち止まって、ゆっくりじっくり自分流に自分の人生を振り返ってみて欲しい。多くの東大生が回り道をしたがらず、効率重視で最短を突き進むべきと考えがちであるように見受けられますが、果たしてそれで良いのでしょうか。ともすれば価値観まで人任せにしてしまっていたりしないでしょうか。皆が価値あると言うものにしか価値を見出せなかったり、自分にとってどういう価値があるのかを考えもしなかったり、そんなことはありませんか? このゼミでは五月祭・駒場祭に「ジビエを通して獣害問題と向き合う」企画を打ち出します。このゼミはまず動くことから始めるゼミです。企画のデザインをどうしようというところから手作りする、そんな実験的なゼミです。私はこの手の実験が成立するところを何度も見て来ました。今回、どんな面白い展開になるかは、君たち次第ということになります 。 ※受講人数:特に設定しない ※講義の目標:自主・自律に動けるようになること。様々な問題を他人ごとにしない気分を身に付けること。学園祭企画を立ち上げること。 ※開講場所:駒場(必要に応じて樹芸研究所を訪ねる) ※駒場での講義:企画進捗に合わせて3,4回とゼミ既修者との交流。 ※五月祭:先学期のゼミ生が実施する模擬店(伊豆の獣害問題の提示とイノシシソーセージを販売する)経営に合流する。 ※駒場祭:新たな企画を立ち上げ、駒場祭にて伊豆の獣害問題の提示やイノシシソーセージを販売する企画を実施する。 授業中の取り組み姿勢、企画立案および企画実行の取り組み姿勢、責任ある行動を重視する。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 特定日に行う。/Will conduct guidance at another time 2020年04月13日2限/2nd Period12号館1221教室(4/20, 5/11, 5/25, 6/8, 7/13にも実施します) 評価方法 教科書 ガイダンス 1.0 時間割コード 開講 講義題目 ジビエを通して獣害問題と向き合うS1 学園祭でのジビエ販売を通して問題の本質を考え伝える企画系ゼミ 担当教員 鴨田 重裕 所属 農学部 集中 曜限 単位 教室 シラバス参照 対象

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