1年 文科 理科 2年 文科 理科 月 4 1年 文科 理科 2年 文科 理科 水 2 総合科目 D(人間・環境) 30225 S 30686 S 評価方法 教科書 ガイダンス 講義題目 社会・集団・家族心理学 授業の目標概要 本授業は主に専門領域で言えば、心理学、なかでも社会心理学領域の講義を柱とし、家族心理学を補う。社会心理学は人間関係、集団関係の心理学領域であり、三面記事的な「社会」とは異なる。人間についても、自然法則、経済法則などといった他の分野と同様、あるいは独自の形で法則性が見られ、心理学とは人間を科学的に研究・解析してその法則性を樹立する学問分野である。イメージとしては行動科学、人間科学、認知科学といった用語の方が適合するかもしれない。一方、常に社会との関係性をも意識し、広く人文科学と社会科学をつなげる領域総合的な観点を有することも社会心理学の利点と魅力である。社会心理学分野は多岐にわたり、個人の行動分野から対人行動、自己、対人相互作用、集団過程、集合現象、家族関係など広く、経済学や政治学とも密接な関係をもつ隣接分野である。本講義は全体に目配りしながら、「対人関係並びに集団における人の意識及び行動についての心の過程」、「人の態度及び行動」、「家族、集団及び文化が個人に及ぼす影響」など、「公認心理師」の社会・集団・家族の選択科目分野が学べるような講義になっている。 人間関係は誰もが一生経験し、どのような職業についても無関係であることはなく、しかしながら単なる「人間関係のノウハウ」のような通俗本に取り上げられているものとは異なる。その知見は、実験や調査などの実証研究を土台とし、定義された専門用語によってはじめて正確に描写、記述することができるきわめて専門的な知識である。その専門的知識は深めるほどに個人の独創的・創造的な応用によってより深く、鋭く日常と接続し、本人の技量にしたがって一生役立てていける知識基盤となる。そして重要なのはそれは自分ためだけではなく、他者のためにもなり、またそれは結局ひいては自分のためであることを利他行動の授業回において明確に示すであろう。また心理学は一般に方法の学問と言われるように、その内容だけでなく、研究方法、知の獲得の仕方に特徴と味わいがあり、物の見方の学習こそが一生用いていくことができる最も応用可能な点である。 心理学は題材として人間を俎上に載せ、またその人間のひとりは他でもない自分自身であるだろうが、だからと言ってそれは学ばずして十分理解できるものでもなく、そのパースペクティブを獲得することがなければ一生気づかずに過ごしてしまう貴重な知見を豊富に含んでいる。とりわけ進化的なパースペクティブや体内物質、遺伝についての知見は、自分自身で気づくには圧倒的に不可能的なアイデアであったり、鋭く実証的な科学的知見であったりする。そもそも統計解析を重視する心理学にあって、人と環境の交互作用は知見の中心であるが、人は直観的に「交互作用効果」が理解できるように頭脳がしつらえられていない。これはきわめて現代的な進展であり、そうした学問の進展は生涯学び続けなければ、どんどん古びてしまうものである。 世間で心理学や人間について誤った言説が溢れているのは人が容易に新たな知見を学習しないからであると言っていい。受講者は一生にわたってこれらの知識を現代人として更新していってほしい。そういう意味で本講義の目標はよりよい現代人になることであり、基本的な人間の性質というものへの感受性を高め、その捉え方についてより科学的なスタンスを自分自身に確立させることを目標とする。 70%テストによる。それ以外の学期途中の小課題の提出2-3回およびリアクションペーパー等によって30%を評価する。社会心理学のモデルを専門用語によって理解し、正確に説明できるかが求められる目標である。 次の教科書を使用する。/Will use the following textbook 書名 著者(訳者) 北村英哉・大坪庸介 出版社 第一回授業日に行う。/Will conduct guidance at first time 評価方法 教科書 ガイダンス 人間の行動と心理の進化的理解 講義題目 授業の目標概要 本講義の目標は、人間の身体や行動および心理の特性を進化の観点から理解することである。全ての生物種は進化という途方もなく長いプロセスを経て現在地球上に存在している。従って人間を一つの生物種である「ヒト」として捉えた時、我々の体や心も決して進化とは無縁でなく、そこには進化の痕跡が数多く残されていると考えられる。このような観点から人間の行動を理解する学問は人間行動進化学、心理を理解する学問は進化心理学と呼ばれ、近年目覚ましい発展を遂げている。またヒトの疾患の存在理由を進化的に理解する学問は進化医学と呼ばれる。 本講義では進化論が近現代の人間観・世界観に与えたインパクトを解説した後(第1回)、進化生物学の基本的な概念を学習する(第2〜5回)。次に霊長類の特徴や人類の進化史を学び、生物としてのヒトの理解を深める(第6回〜第7回)。これらの内容を踏まえた上で、進化が我々の身体や行動そして心理に及ぼしている影響について様々な例を挙げて解説する(第8回〜第13回)。具体的にはヒトの生活史、社会性、配偶行動を取り上げる。「人間とは何か」という大きな問題に対し、従来の人文科学や社会科学にはなかった新しい文理融合的アプローチによって迫りたい。 期末試験により評価(持ち込み不可) 教科書は使用しない。/Will not use textbook 第一回授業日に行う。/Will conduct guidance at first time 『進化と感情から解き明かす社会心理学』 有斐閣 1323教室 1323教室 時間割コード 時間割コード 開講 授業科目名 適応行動論 開講 授業科目名 社会行動論 担当教員 大槻 久 担当教員 北村 英哉 所属 心理・教育学 所属 心理・教育学 曜限 教室 曜限 教室 対象 対象
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