2019Aシラバス
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1年 文科 理科 2年 文科 理科 月 1 A 1年 文科 2年 文科 水 5 A 物理科学Ⅱ(文科生) 横倉 祐貴 総合科目 E(物質・生命) 50015 50699 講義題目 授業の目標概要 評価方法 教科書 ガイダンス 講義題目 授業の目標概要 評価方法 教科書 ガイダンス 統計物理学 多数の気体分子を考えたとき,初期条件としての位置と運動量のようなミクロな状態とその時間発展規則としての運動方程式が与えられると,少なくとも古典力学の意味で,ミクロな状態の時々刻々の移り変わりは予言することはできるであろう.しかしながら,その気体分子の数がアボガドロ数のように非常に大きな数の場合に,運動方程式を解くことで有益な情報は得られるとは限らない.一方で,熱力学は,温度や圧力のように驚くほど少数の変数でマクロな世界の性質を記述することに成功している.このミクロな状態からマクロな熱力学的性質を議論する理論体系を与えているのが統計力学である.講義では,統計力学の基本的な考え方や概念を古典平衡統計力学の範囲で説明し,いくつかの適用例題(気体のボイルーシャルルの法則,強磁性の相転移現象,等)を解説する. 定期試験と数回のレポートによる総合評価 中村メソッドによるレポート点検も評価対象 教科書は使用しない。/Will not use textbook 第一回授業日に行う。/Will conduct guidance at first time 物理学と時空 物理学では、自明な現象・事実から出発し、そこから帰納的に自然法則を見出し、それを原理として論理を展開して、全く非自明な結果を演繹的に導き出す。物事を原理的に捉える物理学独特の考え方は自然科学に限らず、あらゆる問題解決やアイデア形成に役立つものである。この授業では、アインシュタインの相対性理論を導き出すことを通して、この物理学的思考過程を体験してもらいたいと思う。 授業は若きアインシュタインの疑問「光を光の速さで追いかけたら、光はどのように見えるだろうか?」から始まる。この疑問の意味を理解するために、まずニュートン力学を解説し、光について説明する。そして、アインシュタインの考えに沿って、時間と空間の意味を考え直し、特殊相対性理論を構成する。このとき、時間と空間を「時空」として統一し、ローレンツ変換、さらにE=mc^2を導き、その物理的意味を理解する。 さらに、一般相対性理論に進む。素朴な経験事実から原理を見抜き、それらを巧みに組み合わせ、「時空は入れ物ではなく“動く物理的実体”である」という驚くべき結果がどのように導かれるのかを概説する。もし時間が許せば、ブラックホールについても説明したい。 物理学の1つの特徴はその普遍性にある。物理法則は地球上だけでなく、遠く離れた宇宙でも成立する普遍的な「物」の「理」である。これを可能にするのが、自然言語である数学である。従って、この授業では、ただの解説話ではなく、実際に数式を使って、法則を書き下し、それを一歩一歩変形して、結果を導き出す。高校物理を履修していない生徒でも理解できるように、必要な物理や数学の内容は全て授業で与え、なるべく初等的な数学からきちんと解説する。慣れない考え方も多くあるかもしれないが、真摯に学べば、素朴な興味や事実からどのように宇宙を支配する法則に至るのか、その物理学の壮大なロマンを感じてもらえると思う。 定期試験。レポート課題を出す可能性あり。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 第一回授業日に行う。/Will conduct guidance at first time 511 1322 時間割コード 時間割コード 開講 授業科目名 統計物理学 開講 授業科目名 担当教員 福島 孝治 担当教員 所属 物理 所属 物理 曜限 教室 曜限 教室 対象 対象

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