2019Aシラバス
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1年 文科 理科 2年 文科 理科 金 2 A 1年 文科 理科 2年 文科 理科 A 総合科目 C(社会・制度) 50965 51090 講義題目 授業の目標概要 評価方法 教科書 ガイダンス 講義題目 授業の目標概要 評価方法 教科書 ガイダンス 社会契約と統治性-近代の表と裏 この講義では、社会契約論と統治性という政治共同体をめぐる二つのアイデアを比較対照する。社会契約論は、第二次大戦後の日本では長い間、近代ヨーロッパにおける政治秩序を形づくる基本的な理念、理論と了解されてきた。では、社会契約の論理とはどのようなものなのだろうか。そしてそれが実は秩序についての常識はずれな見方であること、だからこそそこに存する根本性について考察する。 一方の統治性は、これまであまり政治学や政治思想史では注目されてこなかった概念である。統治性の観点から近代ヨーロッパ秩序を見ることが、社会契約的な見方といかに異なっているのかをまず説明する。その上で、16世紀以降の政治における統治性の展開を跡づける。そのことによって、政治を統治の観点から眺めるとはどういうことなのか、それによって近代国家なるものが、社会契約を通じて捉えた場合とはいかに異なって見えてくるのかを明らかにする。 説明のしかたは、社会契約についてはある程度の歴史的背景、また思想史的な系譜を整理した後、契約に至る論理構成の解説を中心に行う。統治性については、歴史的な考察が中心になる。統治性が作り上げられ、変容してきた歴史的経緯をたどることは、その概念を理解するための主要な方法となる。理由は、統治性という概念はかなり実践的な場面で利用価値があり、社会契約論のような精緻で理論的構成を持っていないからである。統治性の歴史を知ることがそのまま統治性とは何かを知ることになる。 講義を通じて、思想史の面白さを知ってもらうことが一番の目標である。思想史は、論理と歴史と実践と思想の言語といった様々なものを交錯させて描くことで、はじめて奥行きをもって理解できるようになる。とりわけ政治思想史においてもっとも興奮させられる山場となるのは、近代が立ち上がってくる17−18世紀である。この時代に政治思想に何が起きたのかを知ることは、現代にまでつながる典型的な思考法や制度設計の知的源泉を知ることにほかならない。これがとても面白いということを伝えたい。 期末テスト(長文の論述) リアクションペーパーから見る興味の在処 プリントを配布する。/Will distribute handouts 第一回授業日に行う。/Will conduct guidance at first time 現代社会と相関社会科学 つである「相関社会科学」の可能性を、具体的に知ってもらう。 平常点(復習レポートの提出等)と期末レポートによる。それぞれ50点。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 特に行わない。/Will not conduct guidance 教養学部後期課程の教養学科・総合社会科学分科に所属する数名の教員のリレー講義によって、同分科のコースの1532 512 時間割コード 時間割コード 開講 授業科目名 比較社会論 開講 授業科目名 相関社会科学 担当教員 重田 園江 担当教員 市野川 容孝 社会・社会思想史 金 5 所属 社会・社会思想史 所属 曜限 教室 曜限 教室 対象 対象

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