2019Aシラバス
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1年 文科 理科 2年 文科 理科 金 2 A 1年 文科 理科 2年 文科 理科 火 2 総合科目 B(国際・地域) 50963 50305 A 講義題目 授業の目標概要 評価方法 教科書 ガイダンス 評価方法 教科書 ガイダンス 観光の人類学 国連世界観光機関によれば、2017年に国境を越えた旅行者数は13億人を超え、1960年代以降その数は増加の一途をたどっている。第二次世界大戦後、先進国・途上国を問わず、観光は多くの国で経済開発の有効な手段として積極的に推進されてきた。現在、観光は経済に限らず、政治、文化、環境など社会の様々な側面に大きな影響をもたらし、巨大な社会現象となっている。文化人類学による観光研究(観光人類学)が本格化したのは、文化人類学者たちが自身のフィールドに対する観光の影響の大きさを意識するようになった1970年代以降のことである。観光人類学の貢献は、観光を切り口に文化についての新たな見方を提示してきたところにある。観光のコンテクストにおいて文化は無意識の慣習や実践ではなく、意識的に操作され、表象され、また生成する。本講義は、観光という現象に文化人類学の視点からアプローチすることで、現代世界における文化の動態について理解を深めることを目標とする。前半は、先行研究や世界の事例をもとに、観光人類学の理論や分析方法について概観する。後半は、近年注目されている新しい観光形態を東南アジアの事例から検討し、その展開に現地の社会文化的動態がどう影響しているのか、それは同時に現代世界を取り巻く様々な課題とどう関わっているのかを考察する。 リアクションペーパーの提出(30%)、期末試験(70%) プリントを配布する。/Will distribute handouts 特に行わない。/Will not conduct guidance 人類学的思考とは何かー映像/イメージを通して学ぶー 講義題目 授業の目標概要 文化人類学(以下「人類学」と略)はもともと、世界の諸民族を研究する「民族学」を原点とする学問だった。しかし、今日の人類学はそうしたイメージから大きくかけ離れたものになっている。「未開」や「伝統」はもはや人類学の中心的テーマではなく、今日の人類学者は、例えば先端科学のラボやインターネット上の世界などもフィールドワークの対象にするようになった。そのような現代人類学は、人類学の過去の学問的遺産とどのように連結しているのか。そして、そうした伝統の上に立つ現代人類学は、どのような独自の知見を我々にもたらしてくれるのだろうか。 過去から現在そして未来の人類学へと向かう、こうした流れの全体を見通すために、映像(写真を含む)は有益な土台となってくれる。人類学者はフィールドワークという作業をつねに重視してきたが、そこで大事なのは、「言葉で表現されたもの」と同じかそれ以上に、「言葉で表現されていないもの」であって、映像は、うまく使うならば、この後者(およびその前者との関係)をダイレクトの感じ取らせてくれるのだ。それゆえこの授業では、映像的素材を見ながら、フィールドの現場を間近で想像しつつ、古典的および現代的な人類学の独特の思考方法を学んでいってほしいと思う。 かつて「文化」、「社会」は人類学の基本概念であった。しかし実は、人類学は「文化」、「社会」の概念なしでも十分にやっていけるし、そういう考え方のほうが人類学的思考の今日的な現場に接近しやすいとも考えられる。この授業でのキーワードは、従って、社会・文化を次第に離れ、イメージ・自然・身体といったものになっていくはずである。このあたりの事情は、授業全体を追うなかで、少しずつ確実に理解していってもらえると思う。 試験(予定)。 次の教科書を使用する。/Will use the following textbook 書名 著者(訳者) 箭内匡 出版社 ISBN 第一回授業日に行う。/Will conduct guidance at first time 『イメージの人類学』 せりか書房 978-4796703734 514 513 時間割コード 時間割コード 開講 授業科目名 文化人類学Ⅰ 開講 授業科目名 文化人類学Ⅱ 担当教員 岩原 紘伊 担当教員 箭内 匡 所属 文化人類学 所属 文化人類学 曜限 教室 曜限 対象 教室 対象

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