2019Sシラバス
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金4 金4 金4 初年次ゼミナール理科 31417 31422 31425 授業の目標・概要 喫煙と種々の疾病の関係はすでに多くの人の知るところですが、それらの関係を明らかにしたのは、コホート研究などをはじめとする疫学の方法論です。疫学研究を計画するためには、疾病のメカニズム、調査におけるバイアス、統計学的手法、倫理的配慮などへの理解が必須です。この授業では、コホート研究を題材として、上記の事項を参加型授業をとおして学習してもらうことを目的とします。 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 プリントを配布する。 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 授業の目標・概要 今から約100年前, Alfred Wegener は,世界地図の上で大西洋を挟んだアフリカ・南アメリカ大陸両海岸線の類似した形を見て,大陸移動のアイデアを思いつきました.このアイデアは,当初,大陸を移動させる駆動力について明確な説明ができず,地球科学界では忘れ去られてしまいます.しかし,1950年代以降,地球科学上の新しい証拠によって再評価され,プレートテクトニクス理論へと確立されました.その間にも,地形や地震・火山の分布の特徴や規則性から,地球のダイナミクスや歴史について様々な発見がされています. 現在、私たちは,Wegener の時代とは比較にならない膨大な地球情報や,それを視たり手を加える便利なツールを手にしています.人工衛星や調査船による地形・3次元地下構造探査,掘削による地下物質・状態の直接観察,海底ケーブルによる地震・地殻変動モニタリング,等により,地球の表面や内部が「どのようになっているか」は,ずいぶんと詳しく分かってきました.一方で、「なぜそのようになっているか」については,多くの問題が残されています.例えば,海溝型地震・津波が超巨大になる要素は何か,地球磁場ななぜ逆転するのか,生物大量絶滅はなぜ起きたのか,などの根源的な問題はまだ理解されていません. 深海底は大半のプレート境界がある活動的な場所であり,また,新しいタイプの極小海底火山などの「発見」や,地殻とマントルの境界面がどこにあるのか,といった探索の要素が未だ残されています.残された秘境といっていいでしょう. 本ゼミナールでは,最新のデジタル地球データを駆使して,皆さんにあまりなじみのない世界の海底の姿を観察し,その特徴が語る地球の歴史や未来の姿を描き出します.新しい規則性の発見や,斬新な仮説がこのゼミナールから生まれることを期待します. (目標) ○ 「どのようになっているか」を知るため,情報を収集・分析するスキルを身につける. ○ 「なぜそのようになっているか」という問題意識を持ち,解決に向けて取り組む姿勢を身につける. ○ グループで問題設定,情報共有,議論を行い,考えをまとめるグループワークを経験する. 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 次の教科書を使用する。 書名 著者(訳者) 東京大学教養教育高度化機構初年次教育部門・増田建・坂口菊恵編 出版社 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 成績評価方法 授業のキーワード 問題発見・解決型、地球科学、デジタル地球データ、プレートテクトニクス、地球の進化 教科書 ガイダンス 授業の目標・概要 がん・アレルギー疾患・感染症・神経疾患をはじめとする難病を克服し、健康で長生きできる社会を実現するためには、疾病の原因となる分子や遺伝子を同定して、その異常と病態発症、進展におけるメカニズムを解明することが極めて重要です。そして、得られたデータを様々な手法で解析することにより新しい予防・診断・治療法の開発へと発展させて行く必要があります。これらの情報が、近年注目を集めている医療分野の人工知能(AI)の開発にも繋がっていきます。私たちの医科学研究所では、モデル動物、患者サンプルなどを使った実験的基礎医学から、高度な数学的手法を用いたデータ解析、さらにモダリティと呼ぶ様々な薬や治療法のデザインまでカバーし、一体となって医科学研究を行なっています。 本ゼミナールでは、がんを主な題材として、基本的な科学用語の検索から、病気の発症メカニズムを共同学習しながら能動的に学習して発表し、議論することで医科学研究の実験生物学からスーパーコンピュータを用いた情報解析、それらが治療や創薬に繋がっていく実際を体験してもらいます。また、グループ学習を通して、疾病に対する診断、治療、予防法などを考えてプレゼンテーションも行う予定です。その過程で、実際に研究施設を見学し、研究の現場を体感する機会を設けるとともに、研究に必要な学術的スキル(問題発見、検索、グループワーク、考察、プレゼンテーションなど)を習得します。 開催場所:通常は駒場キャンパスで実施 第3週、4月26日(金)は休講とし、代わりに5月11日(土)に医科学研究所の施設見学(スパコン、バイオバンク、実験施設等)を行う。 (集合時間:10時、集合場所:白金台キャンパス近代医科学記念館) 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 教科書は使用しない。 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 成績評価方法 授業のキーワード 問題発見・解決型、医学、ゲノム・精密医療、人工知能、創薬 教科書 ガイダンス 成績評価方法 授業のキーワード 参加型授業、医学 / 社会医学、疫学、コホート研究、バイアス、研究倫理 教科書 ガイダンス 科学の技法:アクティブラーニングで学ぶ初年次ゼミナール理科 東京大学出版会 96 E35教室 K302 E25教室 時間割コード 曜限 世界の海底物理・地質情報から プレートテクトニクスを"視る" 疾患克服を目指した医科学研究の実際 -疾患の分子病態から予防、診断、 コホート研究をしてみよう 講義題目 治療法を考えるー 担当教員 清水 久芳 井元 清哉 渡邉 すみ子 小林 廉毅 地震研究所 医科学研究所 医学部 所属 教室

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