2019Sシラバス
79/384

火3 木3 初年次ゼミナール理科 31403 授業の目標・概要 <概要> 成績評価方法 授業のキーワード 原理解明・伝達型、数学/解析学、実数、デデキントの切断、イプシロン・デルタ論法、収束 教科書 ガイダンス 受精・卵割による新たな生命の誕生は、異形配偶子形成を行う生物に普遍的な生命現象である一方、生物種によって驚くほどの多様性も示します。 本ゼミナールでは、まず受精に関連するキーワードを含む一般のニュース記事(過去1年分)の中から興味をもったものを選び、内容について科学的に説明するためのグループごとの調査・発表を通して受精についての普遍的な知識を得ます。 その後、その記事の元となった学術論文について調査・発表を繰り返す過程で、受精過程が多様であることにどのような意義や利点があるのか(あるいはないのか)、私たちヒトを含む哺乳動物の受精・発生にはどのような特性があるかについて議論を進め、理解を深めます。 <目標> ・教科書的な知識を丸覚えするのではなく、それがどのような観察結果や実験結果から導かれたものであるかを理解する。 ・「まだわかっていないことは何か」を意識しながら学び、科学的課題の設定や仮説の立て方とその検証方法について知る。 ・人にわかってもらうためのプレゼンテーション技術の基礎を身につける。 初年時ゼミナール理科の評価方法によって評価します 成績評価方法 授業のキーワード 生命科学、受精、繁殖、哺乳類、生殖医療・再生医療 教科書 教科書は使用しない。 ガイダンス 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 科学の技法:アクティブラーニングで学ぶ初年次ゼミナール理科 東京大学出版会 77 K302 K301 時間割コード 31468 授業の目標・概要 「数」というものがなかったらどうなっていただろう。 まずお金というものが成り立たなくてコンビニで三角サンドが買えないことになる。 時間が数で表せないので授業時間をきめて学生や教員が教室に集まるのも無理だろうし、体温を計るのにも困るので医者も大変である。 まあ要するに人間は物事を「数」に結び付けて理解しているのであり、そういうわけで算数も含めると数学が学校教育の多くの部分を占めており、また他の多くの学問の基礎となっているわけである。 特に「長さ」と「数」を結びつけると、棒切れに等間隔に目盛を打つことになって、「物差し」ができる。 こういったことから「数」と「直線上の点」を対応させるという発想が自然に生まれる。「直線上の点」に対応する数が「実数」である。 物理学や統計学や工学を始めとして多くの分野で使われる解析学(高校の微分・積分を発展させた数学の分野)は実数を舞台としているし収束概念は解析学の柱石ともいえる基本要素である。 高校までの微分積分や点列の収束の扱いと異り、学問としての数学において、解析学は厳密に議論が展開される。 そのなかでも基本となるのは「デデキントの切断による実数の定義」と「イプシロン・デルタ論法による点列の収束の定義」である。 体験上ここで多くの学生はとまどったり、ややもすると拒否反応をおこしたりする場合もある。 「学問としての数学」などと権威主義っぽい書き方をしたが、当然「実数」とか「収束」とかいうことについてはいろいろな人がいろいろなことを考え(厳密性にこだわることへの批判もあった)、 それを公表して長きにわたって戦いが行われてきたのである。(「デデキントの切断」は150年ぐらい、「イプシロン・デルタ論法」は200年ぐらいの歴史がある。) これらの古典的な数学はあるいは現在の数学のありかた(他の学問もおなじだろうが)は、こういったタフな戦いの勝ち残りなのであり、こうして大学で教えられていることにはそれなりの理由がある。 この授業においては、全体を小グループにわけ、担当教員による講義、グループディスカッションなどを授業計画によって進め、最終的に「デデキントの切断による実数の定義」あるいは「イプシロン・デルタ論法による点列の収束の定義」のいずれかのテーマについて、この授業に参加していないような学生にもよくわかるような「理想的な講義」を自分達の手で作りあげるのが目標である。 このような体験を通じ、題材としてとりあげたテーマについて理解を深めるのみならず、文献・資料の収集法、グループによる共同学習の手法などについても習得する。また数学の意義についての自分なりの観点の確立に資するようにもしたい。 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 次の教科書を使用する。 書名 著者(訳者) 東京大学教養教育高度化機構初年次教育部門・増田建・坂口菊恵編 出版社 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 曜限 哺乳類の受精・卵割の特性 講義題目 解析学の基礎 担当教員 松本 久義 大杉 美穂 理学部 所属 教室 生物

元のページ  ../index.html#79

このブックを見る