2019Sシラバス
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火4 本誌「初年次ゼミナール文科の履修について」の頁を参照のこと。 【この授業の目標・概要】 この授業では、質的研究のひとつであるエピソード研究論文を執筆することを通して、自分が世界や他者をどのように見て(認識して)いるのかと同時に、自分とは異なる他者の認識がどうなっているのかを知ることにより、自分自身も含めた人間理解を深めることを目標とする。 教育学におけるエピソード研究とは、家庭・学校・会社・施設といったさまざまな日常生活の場に赴き、自分もその現場に身を置くなかで出会われてきた出来事を描写し、一つのエピソードとして考察するものである。現場のなかで様々に起こる出来事をどのように切り取り、どのように描写し、どのように考察するのかに、研究者の個性や力量が大きく現われる。 ゼミの前半では、教育学におけるエピソード研究の論文を複数読むことにより、エピソード研究のひな型を学ぶ。エピソードの描写方法に関しては、小説なども参考にする。そのうえで、第1回フィールドワークを行い、各受講生が書いたエピソード(考察なし)を共有・検討する。ゼミの後半では、エピソードの分析・考察に焦点を当てる。論文・小説・マンガなどを事例とし、言葉・表情・ふるまいなどからその人物の心理や思考について推察する方法を学ぶ。そのうえで、第2回フィールドワークを行い、各受講生が書いたエピソード研究(考察あり)を共有・検討する。このエピソード研究をたたき台として、最終小論文を執筆することになる。こうした実践を通して、自分が経験したことを適切に言語化し、それを手がかりとして自己理解や他者理解を深められる能力を育むことを目指す。 【学術分野】心理・教育学 【授業形態】フィールド型(文献講読も含む) 出席、報告および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。 教科書は使用しない。 次の参考書を使用する。 『読む、書く、考える ―東京大学初年次ゼミナール文科 共通テキスト―』 書名 著者(訳者) 東京大学教養学部初年次ゼミナール文科運営委員会 エピソード教育臨床:生きづらさを描く質的研究 書名 著者(訳者) 大塚類・遠藤野ゆり編 出版社 創元社 施設で暮らす子どもたちの成長 書名 著者(訳者) 大塚類 出版社 東京大学出版会 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 初年次ゼミナール文科 成績評価方法 授業のキーワード エピソード研究、臨床現象学、教育学、フィールドワーク 教科書 参考書 ガイダンス 49 116教室 時間割コード 31699 授業の目標・概要 【共通目標】 曜限 エピソード研究を通して人間理解を深める 講義題目 担当教員 大塚 類 所属 教育学部 教室

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