2019Sシラバス
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―「東洋文庫」と「大航海叢書」を読む 本誌「初年次ゼミナール文科の履修について」の頁を参照のこと。 【この授業の目標・概要】 およそ全ての学術において、①研究書・研究論文を読む、②自分自身固有の「問い」を立てる、③調査をする、ということは共通しています。この①~③を何回も何回も繰り返し、④「問い」への自らの「答え」を見つける、ということも共通事項でしょう。 ただし、このような流れはあくまでも基本であり、これだけでは自由な思考をすることはできません。とりわけ歴史学においては、既存の研究を読むだけでは、十全な「問い」を立てることはできません。大学教員であれ、学生であれ、院生であれ、その人にとって意味のある「問い」を立てることは極めて重要です。そしてどのような「問い」を立てるかは、本質的に自由です。ただしこの自由は、ただ与えられるものではなく、学ぶという苦しいプロセスの後に、意味のある「問い」を立てることによって、跡付け的に実感できるものです。 そこで、この初年次ゼミナールでは、なるべく皆さんの自由を確保する形で、それぞれの思考を深めていってもらいたいと思います。まず、「東洋文庫」(850点程、平凡社)、「大航海叢書」(42点、岩波書店)から、一つの文献(一冊~複数冊)を選びます。そして、その文献が書かれた時代や地域について調べ、さらには当該の文献に関わる二次文献を探し出します。それぞれについて発表をし、最終的には、当該文献の扱い方についての論文を書きます。 なお、私の能力の限界もあることから、なるべく東南アジア関係のものを中心にできればと考えています。 【学術分野】歴史学 【授業形態】文献批評型 出席、報告および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。 教科書は使用しない。 次の参考書を使用する。 『読む、書く、考える ―東京大学初年次ゼミナール文科 共通テキスト―』 書名 著者(訳者) 東京大学教養学部初年次ゼミナール文科運営委員会 東洋文庫ガイドブック 書名 著者(訳者) 平凡社東洋文庫編集部 出版社 平凡社 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 本誌「初年次ゼミナール文科の履修について」の頁を参照のこと。 【この授業の目標・概要】 さまざまなメディアが発達した今日、私たちは溢れるイメージに囲まれて生きている。そしてそれらによって、行動や価値判断が左右されがちだということにも気づいている。それでは、こうしたイメージの世界と歴史的現実とはいかなる関係があるのだろうか。本授業では、フランスで生まれた「新しい歴史学」の大きな成果であるイメージ世界の歴史学の手法を学びながら、歴史の中の動物イメージの意味と機能およびそれらの変遷を、参加学生による報告・討論をつうじて考えていきたい。報告する学生には、イヌ、ネコ、ネズミ、キツネ、オオカミ、ライオン、シカなど、好きな動物を1つ選び、絵画・彫刻、小説・詩、年代記・日記、神話・伝説、儀礼・慣習、夢などの「史料」からその動物イメージを探し出して、時代・地域の文脈の中で解釈を試みてもらう。時代と地域は大きく取っても、小さく限定してもかまわない。 【学術分野】歴史学 【授業形態】ディシプリン型 出席、報告および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。 教科書は使用しない。 次の参考書を使用する。 書名 著者(訳者) 東京大学教養学部初年次ゼミナール文科運営委員会 書名 著者(訳者) 池上俊一 出版社 ISBN 書名 著者(訳者) ミシェル・パストゥロー 出版社 ISBN 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 初年次ゼミナール文科 31713 木2 授業の目標・概要 【共通目標】 31714 木2 授業の目標・概要 【共通目標】 成績評価方法 授業のキーワード 一次資料、二次資料、東南アジア、古代~近代、「東洋文庫」、「大航海叢書」 教科書 参考書 ガイダンス 成績評価方法 授業のキーワード 新しい歴史学、イメージ、動物 教科書 参考書 ガイダンス 『読む、書く、考える ―東京大学初年次ゼミナール文科 共通テキスト―』 中世幻想世界への招待(河出文庫) 河出書房新社 430941172X 熊の歴史 筑摩書房 4480858075 40 フランス語・イタリア語 117教室 118教室 時間割コード 曜限 講義題目 資料から考える歴史 イメージ世界の歴史学 ―動物イメージを題材にして 担当教員 岡田 泰平 池上 俊一 所属 歴史学 教室

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