2019Sシラバス
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1年 文科 理科 2年 文科 理科 授業の目標概要 サイバネティクスとは、生物と機械の内に潜む共通の原理を統一的に捉える科学技術の体系である。まず、生物が環境中の情報を計測し、処理し、自ら行動して環境に働きかける一連の流れを、信号の通信とフィードバック制御に関する数学で記述する。そしてこの原理を人工物に応用することで、自ら考え、判断し、動くことのできる知的な機械を実現する方法論を与える。数学者ウィーナーによって1947年に開始されたこの学問体系は、生物、機械を含むあらゆる物理的対象からの情報の抽出、解析、制御の方法論として今なお発展しつづけ、脳工学、生体工学、バーチャルリアリティ、システム工学といった現代的な工学技術の礎となっている。 この授業は、最先端の工学技術に関する講義と研究室の見学を通して、サイバネティクスの原理を理解してもらうことにある。さまざまな物理的な対象に対して、数学・物理学・情報学を駆使して現象の解析やモデル化を通して、新しい原理や方法論あるいは機構やシステムを創り出し、様々な分野での応用を可能にするような工学の考え方やその実例の話題を、計数工学科システム情報工学コースの教員がオムニバス形式で紹介する。ブレインマシンインタフェース、バーチャルリアリティ、ロボティクス、音声・画像信号処理、生体医用工学といった最先端で非常に広範な話題に触れることができ、しかもそれらが計測・解析・制御というサイバネティクスの共通の原理で語られることに驚きを覚えるであろう。驚くべき人間の能力をいかにして機械が獲得できるかを知る上でも、数学・物理学・情報学の基礎がどのように広く役立つかを学ぶ上でも、人間と機械が共生する将来像を考える上でも、この科目は良い機会となるだろう。また、実際の研究現場を見学することにより、そのような講義内容がどのような環境で着想され、育てられ、完成されて行くのかを見ることもできる。 具体的には以下に挙げるような、認識、行動、物理、情報、総合の5分野にわたるテーマに関する講義と研究室見学を行う。具体的な講義の内容の詳細と日程およびレポートの提出要領は掲示および初回の講義で案内する。 ※このゼミは4月5日(金)6限(18:45~)に駒場キャンパス7号館743教室にて行われる工学部合同説明会への参加を予定しています。 レポート提出と出席によって成績評価する。 授業中に指示をする。 第一回授業日に行う。 火2 学術フロンティア講義 時間割 コード 31540 S 評価方法 教科書 ガイダンス 304 2 162教室 開講 講義題目 サイバネティクス入門 -物理・生物と情報を繋げるシステム科学- 担当教員 奈良 高明 所属 工学部 曜限 単位 教室 対象

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